オーバークロックのデメリットとは|最悪発火?パーツ破損??

CPUなどの部品を、決められたクロック(動作周波数)を超えて動かすオーバークロックは、昔から一部マニアの間で行われてきました。

いまの自作PCパーツにはオーバークロック対応の部品もあり、オーバークロックの設定そのものは比較的簡単にできてしまいます。

そのためか、気軽にオーバークロックを試そうとする人がいるようです。

しかし、オーバークロックには大きなデメリットがあり、それを知らずに試すのは危険なのです。

オーバークロックのデメリットとしては、例えば、発熱量の増大と、それに伴う故障リスクの上昇というものがあります。

また、メーカーの想定している使い方ではないので、万一故障したとしても、保証対象外になることも注意が必要です。

やりかたによっては、PCから発火するような事態にもなりかねません。

この記事ではオーバークロックのデメリットを詳しく見た上で、それでもオーバークロックをするのが良いパターンはどのような時か、解説しています。

なお、この記事ではCPUのオーバークロックについて触れています。

GPUやメモリなど他の部分のオーバークロックも基本的には一緒ですが、CPUに特有なことについても少し触れていますので、その点はご注意ください。

オーバークロックのデメリットとは

オーバークロックのデメリットは、主に以下の通りです。

  • 発熱量が大きくなり、動作不具合など様々な問題を引き起こす
  • 故障リスクが上がる
  • メーカーの保証対象外になる。
  • 発火などのリスクもある

それぞれ見ていきましょう

発熱量が大きくなり、動作不具合など様々な問題を引き起こす

CPUは基本的にクロック(動作周波数)が高くなればなるほど、発熱は大きくなります。

オーバークロックの場合もこれがあてはまり、通常よりもクロックをあげるので、発熱量はそのCPUが想定された以上に増えます。

そのため、CPUに付属していたり、BTOPCにもともと内蔵されている通常のCPUクーラーではまず冷却が追いつきません。

発熱が大きくなり、冷却が追い付かなくなれば、CPUの熱暴走や、排熱でCPUやその周囲の部品を劣化させて寿命を縮めるなど、様々な問題が出てきます。

Windowsの動作不安定、フリーズ、電源を入れても起動しないなど、動作面でも様々な不具合が起こりえます。

その結果として、SSD内のデータ損失すら起こる可能性があるのです。

 

なお、オーバークロックを趣味としてやっている人たち(オーバークロッカーと呼ぶこともあります)は、より冷却効率の高い大型クーラーや水冷クーラーなどで冷却能力を上げてカバーします。

こういった人たちは、CPUの冷却をどのように行えば効率的に冷却できるのかを知っているので、オーバークロックができるのです。

知識が不足している方がオーバークロックを行えば、冷却不足による様々な問題がすぐに起こるでしょう。

故障リスクが上がる

オーバークロックは、本来メーカーが想定している以上にPCを酷使します。

上に書きましたように、部品を劣化させる発熱も増えます。当然、故障のリスクは上がります。

注意すべきは、オーバークロックしたCPUそのものだけでなく、他の部品にもダメージがいく可能性があることです。

たとえばCPUのオーバークロックをした結果、SSDが壊れて中のデータを失った、CPUの排熱でマザーボード上の部品が壊れた、など、さまざまな部品にダメージが行き、故障・不具合を引き起こす可能性があります。

メーカーの保証対象外になる

オーバークロックはメーカーが想定していない使い方です。

メーカーの保証対象外となり、故障してもサポートを受けられなくなります。

故障してもデータが消失しても、何が起きても自己責任です。

発火などのリスクも

オーバークロックを無理やり行い、発熱が大きくなりすぎると、CPUの破損・焼損ということも起こりえます。

それだけではなく、最悪の場合、発火などの危険性も否定できないのです。

オーバークロックはCPUを酷使する使い方です。

車で言えば、ラジエターによる冷却が追い付かない状況で何時間もフルスロットル状態を続けるようなものです。

そもそもオーバークロックとは

ところで、そもそもオーバークロックとは何なのでしょう。

オーバークロックとは、その部品で想定されているよりも高い動作クロックで動作させる手法のことを言います。

GPU(グラフィックカード)やメモリなどで行うことも可能ですが、昔からよく行われてきて最もメジャーなのが、CPUのオーバークロックです。

たとえば、本来3GHzで動くように作られているCPUを5GHzで動かす設定にして、無理やり動かすようなものです。

ちなみに、CPUに高い負荷がかかった際に一時的に動作クロックを引き上げるTurbo Boost技術も、定格以上のクロックで動作させるという意味でオーバークロックの一種といえます。

しかしTurboBoostはメーカーの設計上安全とみなされたオーバークロックなので、一般的にオーバークロックといわれているものとは別枠で考えるべきでしょう。

オーバークロックをするのが良い場合

いまとなっては、オーバークロックをするのがよい場合というのは、オーバークロックそのものを趣味にしている場合くらいしか無くなってしまいました。

昔はオーバークロックによって、CPUの性能を大幅に引き上げることが可能でした。

10年、20年前には、定格クロックの1.5倍に設定しても安定して動くものがありました。

しかし現在は、メーカーがCPU のパワーを限界まで引き出せるようにチューンナップして販売しています。

CPUの余力が少ないため、オーバークロックをしても大きな性能向上がみこめないのです。

一方、オーバークロックをした場合に発熱量が増加したり、寿命が縮まる可能性があったり、メーカーの保証対象外になるのは変わりません。

昔と比べ、リスクが変わらずにメリットが小さくなったといえるでしょう。

今となっては、CPUのオーバークロックは趣味として行う以外にはメリットを感じづらいのが現実です。

まとめ:オーバークロックはデメリットが大きい。理解したうえで、自己責任で!

  • オーバークロックのデメリットは、発熱量の増大や故障リスクが上がること、PCの動作不安定につながることで、最悪発火の可能性も否定できない。メーカー保証も受けられなくなる。
  • オーバークロックは、いまとなっては、オーバークロックそのものを趣味としてやる場合以外にやるメリットがないといえる

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参考サイト:

オーバークロック(Wikipedia)


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