【カンタン図解】Ryzenの世代の見分け方【デスクトップもノートも】

CPUにはそのCPUが作られた時期ごとに世代が分かれているのですが、AMDの Ryzen(ライゼン)にも世代があり、それは型番をみるとわかります。

この記事では、ゲーミングPCのスペックを読むのに必要な、CPUの型番の読み方のうち、AMD Ryzenの世代の見分け方や、世代が変わると何が違うかについて解説しています。

ノートPCに使われるモバイル版Ryzenの世代を確認する方法についても説明していますので、参考にしてください。

また、Ryzenの型番で世代以外の部分についても解説しています。

この記事を読めば、デスクトップ版・モバイル版両方のRyzenの型番の読み方や世代の見分け方がわかるようになるでしょう。

ポイントをしっかり押さえて、購入時の参考にしてください。

なお、モバイル版Ryzenは2023年以降に発売されたモデルとそれ以前のモデルで、モデルナンバーの読み方が異なります。

この記事では2023年以降に発売されたモデル、2022年以前に発売されたモデルそれぞれについて解説しています。

デスクトップ版Ryzenの世代の読み方

デスクトップ版Ryzenの世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、③モデルナンバーの先頭数字でわかります。

デスクトップ版Ryzenの世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、③モデルナンバーの先頭数字でわかります。

  • 先頭が1:第一世代
  • 先頭が2:第二世代
  • 先頭が3(4):第三世代
  • 先頭が5:第四世代(Ryzen 5000シリーズ)
  • 先頭が7,8:第五世代(Ryzen 7000シリーズ,Ryzen 8000シリーズ)
  • 先頭が9:第六世代(Ryzen 9000シリーズ)
第三世代までは数値イコール世代だったのですが、第四世代からズレが出ています。

4000番台も第三世代で、5000番台が第四世代、6000番台はデスクトップ用がなく、7000番台・8000番台が第五世代となっています。

2024年7月に発売されるRyzen 9000シリーズは、第六世代になります。

上の型番例は、先頭が7ですので、第五世代Ryzenです。

なお、第四世代以降で数値と型番のずれがあることから、一般的には「第〇世代Ryzen」ではなく、上のかっこ内にある「Ryzen 〇〇〇〇シリーズ」という呼び方をすることが多いです。

モバイル版Ryzen(2023~)の世代の読み方

モバイル版Ryzen(2023年以降発売)の世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、⑤モデルナンバーの頭から3桁目の数字でわかります。

モバイル版Ryzen(2023年以降発売)の世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、⑤モデルナンバーの頭から3桁目の数字でわかります。

  • 3桁目が1:第一世代
  • 3桁目が2:第二世代
  • 3桁目が3:第三世代
  • 3桁目が4:第四世代
  • 3桁目が5:第五世代

数値のずれがなく、数値=世代です。

上の例では、3桁目が4ですので、第四世代になります。

 

モバイル版Ryzen(~2022)の世代の読み方

モバイル版Ryzen(2022年以前発売)の世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、③モデルナンバーの先頭数字でわかります。

モバイル版Ryzen(2022年以前発売)の世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、③モデルナンバーの先頭数字でわかります。

  • 先頭が2:第一世代
  • 先頭が3:第二世代
  • 先頭が4:第三世代
  • 先頭が5:第四世代(一部は第三世代)
  • 先頭が6:第四世代改良版

世代は1つずつ数字がずれているのと、先頭が5の場合は世代が混ざっているので注意が必要です。

上の例の場合、先頭が4ですので、第三世代です。

5で始まるRyzenの世代を確認するには、それぞれのCPU型番をAMD公式サイトなどと照らし合わせましょう。

 

このように、デスクトップ版Ryzenと旧型のモバイル版Ryzenではモデルナンバーの先頭数字、新型のモバイル版Ryzenではモデルナンバーの3桁目の数字で世代を見分けます。

ところで、この「世代」とはどういったものなのでしょうか。

Ryzenの性能を見るのに欠かせない「世代」について、世代が違うと何が違うのかという部分を中心に解説していきます。

世代とは

世代とは、「作られた年代」のことを言います。

世代が違うと、例えばつぎのようなものが変わってきます。

  • 性能
  • 対応するメモリ
  • 内部の構造・設計(アーキテクチャ)、形状(ソケットなど)

同じRyzenでも、世代が進むにつれて構造が改良されていくので、基本的には新しい世代ほど高性能です。

第三世代のRyzen 7 3700Xと、第四世代のRyzen 7 5700Xでは、世代が新しいRyzen 7 5700Xのほうが全般的に高性能です。

対応するメモリも世代ごとに違います。

デスクトップ版Ryzenの場合、第一世代〜第四世代はDDR4メモリに対応していますが、第五世代はDDR5メモリ対応です。

CPUの種類と世代によって対応メモリが変わってくるので、メモリ増設・交換のときには気を付けましょう。

 

そのほか、技術的な面でいうと、CPUの基本的な構造・設計(アーキテクチャ)が違っていたり、形状(ソケットなど)が違っていることがあります。

第三世代Ryzenは第四世代Ryzenと構造・設計は違うものの形状が一緒なので、同じマザーボードで使用できることもあるのです。

一方で、第五世代Ryzenは構造・設計・形状すべて違うので、第四世代までと同じマザーボードでは使用できません。

ただ、これは自作ユーザー以外は気にしなくてよいでしょう。

 

ここまでRyzenの世代についてみてきましたが、それ以外の数字・記号も、Ryzenの性能を見るうえで大切です。

Ryzenの型番の読み方を、世代以外の部分も解説していきます。

デスクトップ版Ryzenの型番の読み方

デスクトップ版Ryzenの世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、③モデルナンバーの先頭数字でわかります。
Ryzenの型番を読むには、それぞれ別の意味を持つ、4つの部分に分けて確認します。

①ブランド名
②シリーズ
③~⑥モデルナンバー
⑦タイプ

それぞれ詳しく解説していきます

ブランド名

RyzenというのはAMD社が発売しているCPUのブランド名、商品名です。
AMDは、CPUを発売しているメーカーの名前、Ryzenがその商品ブランドです。

他のものに例えるなら、

Apple→(スマホを発売している)メーカーの名前
iPhone→(Appleが発売しているスマホの)商品ブランド

と同じようなものです。

シリーズ

9,7,5,3のいずれかが入り、そのRyzenのランクを示します。

9が最上位で、7>5>3となるにつれてランクが下がります。

ゲーミングPCでよく使われるのは、Ryzen 7とRyzen 5です。

モデルナンバー

シリーズの後に続く4桁数字で、最初の数字(③)は世代を表します。
次の数字④が、そのCPUのグレードを示します。
数字が大きいほどハイグレードになります。

⑤⑥はあまり使われませんので、気にしなくて良いでしょう。

タイプ

型番末尾のアルファベット(⑦)は、そのCPUのタイプを示します。
具体的には以下の通りです。

  • 末尾記号なし:ノーマルタイプ
  • 末尾「X」:高性能タイプ(消費電力も高い)
  • 末尾「G」:内蔵グラフィックス搭載
  • 末尾「T」:低消費電力モデル
  • 末尾「S」:低消費電力&内蔵グラフィックス搭載モデル
  • 末尾「X3D」:ゲーム向け高性能タイプ

モバイル版Ryzen(2023~)の型番の読み方

モバイル版Ryzen(2023年以降発売)の世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、⑤モデルナンバーの頭から3桁目の数字でわかります。
モバイル版Ryzenの場合、2023年以降に発売されたモデルから、型番の読み方が変わりました。

①ブランド名②シリーズはデスクトップ版と同じですが、③~⑥モデルナンバー⑦タイプがデスクトップ版と違うので、注意が必要です。

モバイル版Ryzenの読み方のうち、デスクトップ版と異なる③以降について解説します

モデルナンバー

モデルナンバーは③~⑥の数字がそれぞれ次の意味を持ちます。

③年数

  • 7→2023年モデル
  • 8→2024年モデル
  • 9→2025年モデル

 

④CPUグレード

  • 1,2→Athlon(Ryzenより下のグレードのCPU)
  • 3,4→Ryzen 3
  • 5,6→Ryzen 5
  • 7→Ryzen 7
  • 8→Ryzen 7 もしくは Ryzen 9
  • 9→Ryzen 9

②シリーズと同じ意味を持ちますが、対応する数値が違います。

 

⑤世代

  • 3桁目が1:第一世代
  • 3桁目が2:第二世代
  • 3桁目が3:第三世代
  • 3桁目が4:第四世代
  • 3桁目が5:第五世代

 

⑥マイナーチェンジ(小規模な改良)後のモデルかどうか
それまで発売されていたものに細かい改良をしたものは0以外になりますが、あまり気にしなくて大丈夫です。

 

タイプ

型番末尾のアルファベット(⑦)は、そのCPUのタイプを示します。

  • 末尾「HX」:高性能モデル
  • 末尾「HS」:ゲーム・クリエイター向けモデル
  • 末尾「U」:薄型ノートPC向け

その他、主にPC以外の用途に使われる「C」「e」もあります。

モバイル版Ryzen(~2022)の型番の読み方

モバイル版Ryzen(2022年以前発売)の世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、③モデルナンバーの先頭数字でわかります。

2022年以前に発売されたモバイル版Ryzenの型番も、①ブランド名②シリーズはデスクトップ版と同じですが、③~⑥モデルナンバー⑦タイプがデスクトップ版と違うので、注意が必要です。

 

モデルナンバー

モデルナンバーは③~⑥の数字がそれぞれ次の意味を持ちます。

③世代

  • 先頭が2:第一世代
  • 先頭が3:第二世代
  • 先頭が4:第三世代
  • 先頭が5:第四世代(一部は第三世代)
  • 先頭が6:第四世代改良版

④CPUグレード
デスクトップ版と同じで、数値が大きいほど高性能になります。

⑥マイナーチェンジ(小規模な改良)後のモデルかどうか
それまで発売されていたものに細かい改良をしたものは0以外になりますが、あまり気にしなくて大丈夫です。

タイプ

型番末尾のアルファベット(⑦)は、デスクトップ版同様にそのCPUのタイプを示します。

  • 末尾「HX」「H」「HS」:高性能タイプ。HX>H>HSの順でより高性能。
  • 末尾「U」:通常モデル

まとめ:Ryzenの世代は型番からわかる

  • デスクトップ版Ryzenの世代は、型番でRyzen 7/5/3 に続く、モデルナンバーの先頭数字で見分ける。1⇒第一世代、2⇒第二世代、3,4⇒第三世代、5⇒第四世代、7,8⇒第五世代、9⇒第六世代
  • 2023年以降発売のモバイル版Ryzenで世代を見分けるには、モデルナンバーの頭から3ケタ目の数値で見分ける。1⇒第一世代、2⇒第二世代、3⇒第三世代、4⇒第四世代、5⇒第五世代
  • 2022年以前発売のモバイル版Ryzenで世代を見分けるには、型番でRyzen 7/5/3 に続く、モデルナンバーの先頭数字で見分ける。2⇒第一世代、3⇒第二世代、4⇒第三世代、5⇒第三世代 or 第四世代、6⇒第四世代改良版

関連記事

CPUとは?をわかりやすく解説|初心者も仕組みを理解!

参考サイト
Ryzen(Wikipedia)
Announcing New Model Numbers for 2023+ Mobile Processors(AMD公式サイト)


    お問い合わせフォーム