自作PCやめとけ、といわれる3つの理由とは【実はこんなメリットも】

自作PCはやめとけといわれる、3つの決定的な理由を紹介します。自作PCがおすすめのパターンも併せて紹介。

PCを自作しようとしてネットで調べていると、「自作PCはやめておいたほうがいい」という声がちらほらあるのを見かけるかもしれません。

管理人にも、こういう声をみたユーザーさんから、実際のところどうなのか問い合わせが来たことがあり、気になる方も多いようです。

実は自作PCは、その人に向いている場合と向いていない場合があるのです。

自作PCがやめとけと言われる主な理由は、BTOPCと比べて価格差があまりなくて自分で組み立てても安くならないことと、組み立ては手間がかかり自己責任のうえ、組み立ての時に起こるトラブルへの対処に知識と経験が必要になることです。

しかし同時に、PCを組み立てることでPCについての幅広い知識が手に入るほか、世界に一台のこだわりのPCが作れたり、部品交換でPCを長持ちさせることができる、またPC組み立てを通じて様々なことに役立つ問題解決能力を育てることができるといったメリットもあります。

この記事は、自作PCはやめとけと言われる理由と、それだけの理由がありながらもあえてPC自作を選ぶメリットについて紹介しています。

自作PCはデメリットもありますが、メリットも多く、自作するべきか完成品を買うべきなのか、この記事を読みながら確認してみてください。

自作PCはやめとけといわれる理由

自作PCはやめとけと言われる主な理由は以下の通りです。

  • BTOと価格差があまりない
  • 組み立ては手間がかかる上に自己責任
  • トラブルへの対処に知識・経験が必要

それぞれ見ていきましょう。

 

BTOと価格差があまりない

自作PCは、BTOPCと価格差はあまりなく、自分で組み立てたからといって必ずしも安くなるわけではないので、注意が必要です。

自作PCは手間がかかるにもかかわらず、構成によっては、むしろBTOPCより高くついてしまうことすらあるのです。

自分で組み立てるからその分安くなる、という事は、少なくとも2024年時点ではいえなくなっているので、注意しましょう。

 

組立は手間がかかるうえに自己責任

組み立ては、手間がかかる上に、トラブルや組み立て中の破損など、全て自己責任です。

組み立て方がわからないときに教えてくれるサポートセンターも基本的にはありません。

自分で組み立て方を調べて組み立てることになりますが、組み上がっても起動しない時は自分で原因を追求して直す必要があります。

もし部品が組み立て中に壊れてしまったら自腹を切って買い直すことになってしまうのです。

自作に詳しい知人がいなければ、直接教えてもらうこともできません。

自作は、手間がかかり、リスクも大きいと言えるでしょう。

 

トラブルへの対処に知識・経験が必要

自作PCでトラブルが起きた場合の対処は、基本的に全て自分で対処することになります。

その対処には、ある程度の知識と経験が必要な場合があります。

トラブルへの対処を通じてこういった知識や経験が身につくのですが、まだ経験が浅かったり初めての自作の場合は、トラブルへの対処に手間取るかもしれません。

組み立てにもトラブル対応にも時間がかかるため、パーツ一式を買ってから実際に組み立てで使えるようになるまで、相当の時間がかかることもあります。

 

このように、自作PCがやめとけと言われるにはそれなりの理由があるのです。

ゲームをプレイできるようになるまでに時間がかかり、組み立て中の破損リスクがあり、壊れても動かなくても自己責任になる自作PCは、ただゲーミングPCがほしいだけのユーザーにはおすすめできないのも現実です。

しかし、自作PCには自作でしか得られないメリットがあり、それだからこそ、世の中にはその魅力に取りつかれた自作ユーザーがたくさんいるのです。

そのような自作PCのメリットについて、見ていきましょう。

自作PCのメリット

自作PCのメリットは、主に以下のものが挙げられます。

  • こだわりのPCが作れる
  • 修理・改造でPCを長持ちさせられる
  • PCについての知識が身に付く
  • 問題解決能力を身に付けられる

それぞれ見ていきましょう。

 

こだわりのPCが作れる

自作PCでは、自分好みの見た目・サイズのPCが作れます。

例えば、ケースは自由に選べるので、外観・サイズを自分好みにできます。

光るパーツも自由に選ぶことができるので、色合いや配置をこだわることも可能です。

そしてもちろん、スペックも自分好みにできるので、BTOPCにないこだわり構成も可能になるのです。

例えばこんなこだわり自作PCが、世の中では作られています。

  • 予算70,000円や50,000円などの激安ゲーミングPC
  • グラフィックスボードだけ高性能でCPUはCore i3などにした、CPUをあまり使わないゲーム特化PC
  • そのゲーム1タイトルだけ快適なPC(自分のやりたいゲームに最適化した構成)
  • メモリー128GBやSSD10TBなどの無駄に大容量のPC
  • CPUだけCore i9やRyzen9で、他は格安パーツで組んだ一点豪華主義PC

個々人ののこだわりを実現した、こだわり外観・こだわり構成が実現できるのも自作PCの良いところです。

 

修理・改造でPCを長持ちさせられる

実用面で自作PCの1番大きいメリットともいえるのは、修理や改造をすることで、PCを長持ちさせられることではないでしょうか。

例えば、今持っているゲーミングPCのグラフィックスカードだけより高性能なものに交換することで、新しいゲーミングPCに買い替えずに済むことがあるのです。

実際のところ、旧型ゲーミングPCでもグラフィックスボードを最新型に交換するだけでフレームレートが上がるようなパターンは多々あります。

グラフィックボード単体交換だけであれば、ゲーミングPC本体より100,000円近くお金が浮くこともあり、性能をアップするには買い替えが必要になる完成品PCと比べて、お得にプレイ環境を改善できるといえるでしょう。

 

ゲーミングPCが故障した時も、故障した部品だけを交換することで、保証期間が切れていても修理をすることが可能です。

こういった性能アップや古いゲーミングPCを長持ちさせるための部分自作は、初心者にも敷居が低く、お金の節約にもなるといえます。

「自作に興味があるけれど不安が・・・」という方は、BTOPCの改造・修理から始めるのもよいかもしれません。

 

PCについての知識が身につく

自作PCは、1からPCを自分で組み立てるので、PCの構造についてさまざまな知識が身に付きます。

CPUやグラフィックスボード、メモリなどがどういう形をしているのか、どうやってPCに組み込まれているのかなど、自分の目で確認できるのです。

パソコンの構成を考える中でも、パソコンの部品に関する様々な知識が身に付きます。

さらに、トラブルを自力解決することを通じて、パソコンに関する幅広い知識と自己解決能力を身に付けることもできるのです。

PC全般に関する知識を身に付けるには、PC自作はとても良い経験になるでしょう。

 

問題解決能力が身につく

PCに関する知識以外にも、問題解決能力を養えるのが自作PCのよいところです。

PCのトラブルを自己解決するというのは、トラブルの原因を調べ、原因を切り分け、改善方法を試す、、、の繰り返しです。

トラブルを解決するなかで、仕事や日常生活で何か問題があったときにも自力で解決できる力が、自然と養われていくのです。

自作PCのメリットとしては番外編ですが、仕事や日常生活に役立つスキルが養われるのはひとつのメリットかもしれません。

自作PCはこんな人向け

ご自分がPC自作に求める目的別に、自作をするべきかほかの方法にするかを判断するフローチャートを作成しました。

目的別、自作PCかBTOか自作代行のどれが向いているか、確認するフローチャート

そして、PC自作がおすすめできるタイプは、次のような人です。

  • オリジナルPCづくりを楽しみたい人
  • 軽いゲームしかしない人
  • トラブルを自力で解決する覚悟がある人

 

オリジナルPCづくりを楽しみたい人

自作PCでは好みの外観・光り方はもちろん、構成も自由自在で、世界で1台のオリジナルPCを作ることができます。

先ほど挙げたこだわり構成に加えて、モニター8画面・9画面といった多画面マルチディスプレイゲーミングPCなど、BTOPCにはないけれどあると便利なPCも実現可能です。

普通はあり得ない環境を実現する楽しみも自作PCならではといえるでしょう。

実際に、管理人はRyzenの内蔵GPUとGeForce・DisplayLinkを併用した多画面マルチディスプレイゲーミングPCを作って愛用しています。

GeForceとRADEONが混在していて、しかも内蔵GPUとグラフィックスボードの併用はBTOPCでは見たことがない構成です。

そういったありえない構成を実現するのも、一つの楽しみ方です。

ちなみに、そのときのことについて書いた記事がありますので、良ければ読んでみてください。

Ryzen 5 5600Gにグラボ追加【ゲーム性能向上&マルチモニター】

Ryzen Gシリーズ + GeForceでプチフリ|実例と改善策を紹介

もちろん、組み立てそのものを楽しみたい人にも自作PCはおすすめです。

ものづくりが好きな人は、ぜひ一度PC自作を体験してみてはどうでしょうか。

 

軽いゲームしかしない人

自作PCでは、最安値級ゲーミングPCでもスペックが有り余るような、軽いゲームに最適化した激安PCを手に入れることができます。

たとえば、DQ10やメイプルストーリ-・レッドストーン・ファイナルファンタジー11のような軽いゲームをプレイするゲーミングPCです。

このようなゲームでは、今売られている最安値クラスのゲーミングPCでも性能が有り余ってしまいます。

軽いゲームだけをプレイする場合は、予算50,000円や70,000円くらいでゲーミングPCを自作したほうが、コストパフォーマンスが高いでしょう。

 

トラブルを自力で解決する覚悟がある人

自作PCは、BTOPCと違ってサポートがなく、トラブルはすべて自分で解決が前提です。

トラブルが起きた時、時間をかけてでも、最後まで投げ出さずに最後まで自分で解決する覚悟をつけてから、PC自作をするのがおすすめです。

実際には様々なトラブルを解決するための情報は、ほとんどがネット上にあります。

ネットで調べながらの試行錯誤を、PCが使えるようになるまで続けられるのでしたら問題ありません。

ただ、飽きっぽくてすぐあきらめがちな人や、時間があまりない人は、完成品を購入することをお勧めします。

 

まとめ:自作PCはデメリットだけでなくメリットも多数あり

  • 自作PCはやめとけといわれる主な理由は、BTOPCと価格差があまりないのに手間がかかることと、なにかあっても自己責任なこと
  • 自作PCにはこだわりのオリジナルPCが作れる、改造・修理でPCを長持ちさせられる、知識や問題解決能力を付けられるメリットもある
  • PC自作がおすすめできるのは、こだわりPC作りを楽しみたい、BTOPCより格安のゲーミングPCがほしい人で、トラブルを自力解決する覚悟のあるような人

参考記事
PC Watch流!自作PCパーツの選び方と組み立て方(Impress PC Watch)