ゲーミングPCの置き場所はどこがベスト?【排熱対策も解説します】

ゲーミングPCを購入するとき、置き場に悩むことはありませんか?

ゲーミングPCは壊れやすいナイーブな精密機器です。

埃や湿気などに弱く、置き場所をよく考えないと寿命を縮める原因にもなります。

でも実際には、家具のすき間などの空きスペースに、何の対策もせず置かれているようなゲーミングPCを見かけます。

この記事では、ゲーミングPCの置き場所を決める際に気を付けるべきことをお伝えしながら、いくつかの場所を、メリット・デメリットの両面から検証していきます。

この記事の対象読者

  • ゲーミングPCを購入したら、購入したけれども、置き場所をどこにするか悩んでいる人
  • いまゲーミングPCを置いている場所が問題ないか確認したい人

置き場所別メリットデメリット

まず、よく選ばれる置き場所ごとにメリット・デメリットを見ていきましょう。

机の上


  • メリット:エアフローが良い、アクセスが良い、埃がたまる場所が少な目
  • デメリット:机の上の場所をとる・圧迫感の原因になる、転倒・転落による破損リスク大
机の上は比較的空気が流れやすい場所であり、エアフローはよいでしょう。

また、アクセスがしやすいのでUSBデバイスの取り回しが容易です。

特にキーボード・マウス・ゲームパッドに有線のものを使用している場合は配線が短くて済み、取り回しが楽になります。

ケーブル部分は掃除がしづらく埃がたまりやすい場所ですが、それが少なくなるので、ゲーミングPCの埃対策になるという側面もあります。

またアクセスがしやすいことから掃除も簡単なので、結果的に埃がたまりにくくなるともいえるでしょう。

デメリットとしては、机の上の場所をとることが言えます。

ゲーミングPCは大型なので、実際に場所をとるのに加え、目立つ位置にあると圧迫感を感じることもあります。

また、地震時の転倒・机からの転落による破損リスクがあり、地震の多いエリアや揺れが大きくなりやすいタワーマンション上層階などでは耐震ジェルなどによる対策が必要かもしれません。

机の下

  • メリット:転倒・転落による破損リスク小、圧迫感の原因になりにくい
  • デメリット:エアフローが悪い、アクセスが良くない、埃がたまりやすい、足をぶつけて振動を与えるリスク大
まず大前提として、床直置きはNGです。

ゲーミングPCには下にも吸気口があり、そのエアフローが悪くなるからです。

先ほど書きましたように、床に置くなら、下にすのこのような隙間のある下敷きを敷いて、エアフローの確保やたまったほこりの掃除がしやすいようにするべきでしょう。

そもそも机の下は空気のたまり場になりエアフローもよくないので、ゲーミングPCにとってあまり良い環境とは言えないでしょう。

清掃も比較的しづらく、USBデバイスの抜き差しにも苦労します。

また、位置によっては足をぶつけやすく、衝撃を与えるリスクも大きいです。

部品脱落・破損や衝撃による緩みから動作不良を引き起こすリスクがあります。

しかしながら、地震の際の転倒破損リスクは比較的低いのと、もともと目立たないスペースですので、室内に置いた際の圧迫感はほかの場所に比べ低めです。

机の横

  • メリット:転倒・転落による破損リスク小、足をぶつけて振動を与えるリスク小
  • デメリット:アクセスが良くない、埃がたまりやすい、場所をとる
机の下同様に床直置きはNGです。

下からのエアフローが悪くなります。

特にカーペットの上に直置きすると、埃を吸い込みやすいです。

地震時の転落リスクや足をぶつけるリスクは低めです。

ただ、机の前に座ったユーザーからするとアクセスが良くなく、USBデバイスの抜き差しも大変です。

またモニターやキーボード・マウスまでのケーブルが長くなるので、取り回しや清掃が大変にもなります。

他の家具の間に埋もれやすい配置なので、清掃がおろそかになり、どうしても埃がたまりやすいです。

場所も、本来あまり使わないスペースを活用できる机の下とは異なり、大きなスペースを居住空間の一部に確保することになるので、机の上ほどではありませんが、室内に圧迫感が出るかもしれません。

ラックの上

  • メリット:エアフローがよい、アクセスが比較的良い
  • デメリット:圧迫感の原因になる、転倒・転落による破損リスク大
机の上同様に空気が流れやすい場所で、エアフローはよいでしょう。

ラックの種類にもよりますが、たとえばメタルラックのように下に隙間がある棚であれば、下からのエアフローもよくなります。

ラックの位置を机のすぐ横にすれば、机の上に置いたときに近いアクセス性の良さが得られるでしょう。

掃除はしやすいですが、机の上に比べると家具に埋もれやすいので、忘れがちです。圧迫感・地震の際の転倒リスクは机の上と同様です。

避けるべき置き場所

主な置き場所別のメリット・デメリットについて触れましたが、別の問題で避けたほうがいいシチュエーションがあります。その具体例を見ていきましょう。

NGな例①:窓ぎわ

窓ぎわは湿気が多く、結露や吸い込んだ埃が水分を吸収し、基盤がショートして破損するリスクが大きくなります。

NGな例②:カーペットの上に直置き

カーペットは埃をためやすいので、その上に直置きすると本体下の吸気口から埃を吸ってしまいます。

またゲーミングPCの下は掃除がしにくいので、必然的に埃のたまり場となりやすくなってしまいがち。

そうなると、ゲーミングPCの排気口から埃をまき散らすことにもなるので、室内の埃っぽさが増す可能性もあります。

特にホコリアレルギーを持っている方は、気を付けたほうが良いでしょう。

NGな例③:ペットのいる部屋

ペットの毛は埃となり、ゲーミングPCを破損させる要因となります。

またペットの種類によっては、ゲーミングPCの上に乗ったりぶつかったりしてしまい、ゲーミングPCを破損するリスクが大きくなります。

同時に、そのペットがゲーミングPCの転落などに巻き込まれてけがをするリスクもあります。

ペットにとってもゲーミングPCにとっても危険ですので、可能な限りペットとゲーミングPCは距離をとるべきでしょう。

ゲーミングPCの置き場所選びにおける考え方

ゲーミングPCの置き場所の具体例を挙げてきました。

実際にゲーミングPCの置き場所を決める際には、この考え方をベースに、状況に応じて柔軟に判断する必要があります。

ゲーミングPCを置く家の環境、持ち主のライフスタイルなど、いくつかの要素を見ながらそれぞれが判断しましょう。

実際に置き場所を決定する際に考慮すべき要素をまとめました。

ポイントは

  1. エアフローを保つ配置を心がける
  2. 埃対策と清掃がしやすく、アクセスしやすい場所にする
  3. 湿気が少なく、衝撃を与えにくい場所にする

です。

エアフローを保つ配置を心がける

ゲーミングPCは使用時に大きな熱を発しますので、その熱を効率的に外に逃がすことがゲーミングPCの安定動作と部品の劣化防止に大切です。

ほとんどのゲーミングPCは室内の空気をファンで吸い込んで部品に当てて冷却する空冷方式ですので、大切なのは冷却のための空気の流れを塞がないことです。

よって、ゲーミングPCの配置もそれを意識して行うべきです。

エアフローを保つために気を付けるポイントは、吸排気口周辺に空気の流れをふさぐものを置かないことです。

  • 壁や床などが吸排気の邪魔にならないよう、本体の前後上下左右にスペースを作る(側板は吸排気口がなくても放熱板となっている場合があるので、周りの空気に触れるようにスペースをつくる)
  • 床に直置きの場合は下にすのこを敷くなどして下方向のエアフローを確保する
  • 棚に置く場合は、メタルラックを使うことで下からの空気の流れをよくする

埃対策と清掃がしやすく、アクセスしやすい場所にする

精密機器であるゲーミングPCにとって埃は大敵です。

埃対策を行える場所を選んで設置しましょう。

埃対策がしやすい置き場を選ぶ際に具体的に意識すべきことは以下の通りです。

  • 埃のたまりにくい場所を選ぶ。
    例えば、ペットがいたり、タバコを吸う人がいる部屋はなるべく避ける
  • 埃がたまってもすぐに清掃ができるような、アクセス性の高い場所を選ぶ
  • 部屋をこまめに掃除することで、ゲーミングPCが埃を吸い込みにくい環境を作る
  • 部屋に空気清浄機を置くのも効果的
埃がたまるとこんなリスクが・・・
  • 基板上の埃でショート、PCの基盤が破損するリスク
  • ファンに付着して、冷却効率の低下やファンの故障につながるリスク
  • グラフィックスカードなどについているファンが埃で故障すると、グラフィックスカードそのものが故障するリスク
  • 冷却性能低下やファンの故障に伴い、ゲーミングPC内部の高額部品(CPU・グラフィックスカード)などが故障し、数万円単位の修理代がかかるリスク
水冷でも埃の問題が発生する理由
ゲーミングPCの冷却手段として水冷を採用しているものがまれにあります。水冷であれば空気を吸い込まないので、一見埃の問題は起こらないと思いがちです。

しかし水冷であっても、埃の問題は残ります。
理由は、部品を冷却して温まった水を冷やすのはファン(とラジエター)だからです。

空冷と水冷の違いは、空気を直接PC内に取り込むか、水を使って(冷媒にして)部品の熱をPCの外まで運び、そこで空気を使って冷やすかの違いであり、どちらも冷却するのは空気であり、それを取り込む冷却ファンです。

なお、水冷PCは普通のPCと比べて水漏れの問題がでてきます。メンテナンスの手間も増えます。

水冷ゲーミングPCは、エアフロー・埃の問題から解放されず、一方でメンテナンスの手間とリスクが高まります。初心者が安易に手を出すべきではないでしょう。

なお、ゲーミングPCを使う上でゲーミングPC内の清掃は必須です。

定期的な清掃によってゲーミングPCは安定して動作し、故障を防ぐことにもなり、結果として寿命も伸ばすことになるでしょう。

ゲーミングPCの清掃メンテナンスについてはこちらの記事で手順などを紹介しています。

ゲーミングPCの清掃はPC本体だけの問題ではない
ゲーミングPCにとって埃は大敵です。室内の埃を取り、ゲーミングPCが吸い込まないようにすると同時に、ゲーミングPC本体の定期的な清掃も大切になってきます。

本体の故障を防止し、寿命を延ばすのがその主な理由ですが、それだけではありません。

ゲーミングPCをこまめに清掃をしないと、PCそのものが埃のたまり場になります。

埃のたまり場になったゲーミングPCの電源を入れれば、排気口からその埃が排出されて室内にまき散らされることになります。

そして、この埃が鼻づまりやくしゃみなどアレルギー反応の原因になる場合があるのです。ゲーミングPCを置いているのが寝室だったりすると、寝ている間の鼻詰まりなどを引き起こし、寝不足の原因などにもなりかねません。

ゲーミングPCの清掃は様々な理由で大切です。

もしこまめな清掃が難しい場合には、せめてアレルギーを持つ人(子どもなど)が頻繁につかう部屋や、そういった人の寝室を避けてゲーミングPCを置いたほうがよいかもしれません。

湿気が少なく、衝撃を与えにくい場所にする

ゲーミングPCは精密機器ですので、湿気と衝撃に弱いです。

結露した場合はもちろん、たまった埃が水を吸うと基盤のショートの原因となり、部品破損の原因ともなります。

地震で机の上などから下に落ちれば、ゲーミングPC内部の部品が破損する場合があります。特にストレージにHDDを使っている場合、故障リスクは高くなり、HDDが故障した場合にはその中にあるデータも同時に消失するので、注意が必要です。

また、ちょっとした振動でも部品の接続が緩んだり外れることがあります。

キッチンや水回りなどはもちろん、結露しやすい窓際などを避け、脚や物をぶつけにくい場所におきましょう。机やラックの上に置く場合は、転倒しないようしっかり固定しましょう。

OAサプライ商品で有名なサンワサプライさんなどで、PC専用の地震対策グッズが販売されています。

こういったものを活用するのも手です。

置き場所がないからゲーミングノートPC、という選択肢もひとつ

ゲーミングPCは巨大で置き場に困るため、ゲーミングノートPCを選択するという考え方もあります。

ゲーミングノートPCには、場所をとらず、使わないときには片付けておくことができるというメリットがあるからです。

ゲーミングノートPCはデスクトップ型と比べて性能が劣るといわれてきましたが、2024年現在、その差はかなり縮まっています。

ただし同クラスの性能を持つデスクトップ型と比べてゲーミングノートPCの価格は高めで、割高感はあります。

他にもゲーミングノートPCにはデメリットがありますが、こういったものを割り切れるのであれば、場所をとらないゲーミングノートPCの購入を選択するのも手でしょう。

ゲーミングノートPCのデメリットについてまとめた記事はこちらにあります。

まとめ

ゲーミングPCの置き場所にはそれぞれメリット・デメリットがあります。例えば一例として、

  • アレルギー体質なので埃をまき散らされるのだけは何とかしたい。圧迫感が気にならない、地震の際の転倒リスクはある程度覚悟できる
    机の上もしくはラックの上
  • 机の上は邪魔なので置けないが、多少の圧迫感であれば耐えられるし、アクセスの悪さも妥協できる。こまめに掃除を意識するので、ゲーミングPCが埃だらけになるのだけは避けたい
    机の横
  • 毎日掃除をする習慣があり、居住空間の圧迫感を最小限にしたい
    机の下

といった考え方もできるでしょう。
他にも、圧迫感は気になるが手間をかけて掃除する時間もない、部屋数が少ないので寝室にゲーミングPCを置かざるを得ないなど、人それぞれの事情があると思いますので、ここに挙げたポイントを意識し、個々人にとってベストな置き場を検討するのが良いでしょう。

ライトユーザーならWi-Fi&Bluetoothの活用も手
こちらの記事でインターネットもキーボード・マウスもできるだけ有線と書きましたが、一方で、Wi-FiやBluetoothの活用でゲーミングPCの置き場の幅が広がったり、メンテナンス性を高めることもできます。

配線は埃のたまり場となりやすいのですが、無線にすればその配線が少なくなり、埃対策にもなるのです。

また、配線の制約がなくなるので、置き場の選択肢が増えます。

反応速度や安定性でWi-FiやBluetoothはどうしても劣る部分がありますが、置き場に困るのであれば選択肢の一つとして検討するのも悪くはないでしょう。