メモリ8GBと16GBの違いを徹底解説|16GBにするなら8GBx2枚のワケも
ずいぶん前から、メモリは8GBあれば十分、16GBは必要ないという話を聞くことがあります。最近も、このような話をよく聞きます。
しかし、メモリ8GBと16GBでは、体感速度が大きく変わることもあります。
メモリ8GBと16GBで、体感速度の違いは、どんな時にどれくらい出るのでしょうか?
短時間だけオフィスソフトやブラウザを使う、そして使い終わったら毎回シャットダウンする、といった使い方がメインであれば、メモリ8GBと16GBであまり違いはありません。
しかし、オフィスソフトを同時にたくさん起動したり、ブラウザでいくつものウィンドウやタブを広げて1日中使っているようであれば、メモリ8GBと16GBで大きな違いが出てくるでしょう。
PCを使用した後はいつも休止状態やスリープにして、なかなかシャットダウン・再起動しない人もメモリ8GBと16GBで違いが出てくるかもしれません。
この記事では、メモリ8GBと16GBでどのような違いが出るのか、違いが出るときはどんな時か、また、メモリ16GBにすると大きな効果が見込めるのはどんな時か、といったことについて触れています。
パソコンの使い勝手に大きく影響するといわれるメモリが、自分の使い方では8GBでいいのか、16GBあったほうがいいのか、判断する助けになればうれしいです。
目次
メモリ8GBと16GBの違いが出るとき
メモリ8GBと16GBで違いが出るときは、オフィスソフトを同時にたくさん起動したり、ブラウザでいくつものウィンドウやタブを広げて1日中使いつづけるようなとき、PCを使用した後はいつも休止状態やスリープにして、なかなかシャットダウン・再起動しないようなときです。
また、使うソフトによっても、違いが出てくるでしょう。
メモリは、よく作業机にたとえられます。
メモリ8GBより16GBのほうが、作業机の広さが2倍というイメージです。
PC作業時に広げるデータが8GBのメモリで収まる量であれば、16GBとの違いは基本的にありません。
16GBのほうが8GBより空きスペースが多いだけです。
しかし、ソフトやウィンドウ・タブをたくさんひらき続けると、いずれメモリ8GBのスペースを使い切ってしまいます。
つまり、作業机の上がいっぱいになってしまうのです。
これ以上データを広げようとすると、ストレージ(SSD/HDD)とメモリの間でデータを出し入れする処理が発生し、速度低下が起こるのです。
作業机に広げた資料(データ)を本棚(ストレージ)に戻して、別の資料を取り出し、終わったら本棚に戻すようなイメージです。
一方、メモリ16GBの場合はデータを広げるスペースが広いため、ストレージとのデータのやり取りが少なくなり、メモリ8GBよりスピードが速くなるのです。
そのため、作業時に広げるソフトやウィンドウ・タブが8GBに収まるのであれば、8GBでも16GBでも基本的に速度の違いはでません。
WordやExcelを1ウィンドウだけ開いて使う、ブラウザで数タブ開いてネットサーフィンするだけ、そして使い終わったらこまめに再起動するようなユーザーであれば、メモリ8GBを使い切ることはあまりないです。
そのためメモリ8GBでも16GBでもあまり違いがないのです。
メモリ8GBとメモリ16GBの違いは、メモリを大量消費するような使い方をしたり、メモリを大量に消費するソフトを使う時に、スピードの違いが出てくるのです。
メモリ8GBよりメモリ16GBの方が良い場合とは
メモリ8GBとメモリ16GBで違いが出るのは、以下のような場合です。
- 複数のソフト・ウインドウを開く場合
- 多数のブラウザタブを同時にor一回の起動中に開く場合
- VRを使ったり、ゲームをやる場合
- 本格的な動画編集を行う場合
- 仮想デスクトップ環境を構築したい場合
- あまりシャットダウン・再起動しない使い方をする場合
それぞれ見ていきましょう。
複数のソフト・ウインドウを開く場合
例えば、Wordを開いて書類作成中に管理用データベースとして使っているExcelを開き、さらに調べ物でブラウザを複数タブを開き、といった場合です。
いくつかのソフト・ウインドウを複数同時に、大量に開くような使い方をすると、メモリ8GBでは使い果たしてしまうでしょう。
こういったとき、メモリ8GBと16GBで違いが出てきます。
多数のブラウザタブを同時にor一回の起動中に開く場合
上で複数のソフトやウィンドウを開いた場合、メモリを大量に消費すると書きましたが、特にブラウザは多くのメモリを消費します。
またブラウザは、ウインドウやタブを閉じてもある程度のメモリを消費したままになります。
ブラウザを使い終わってから閉じても、一回のPC起動中に使うタブ・ウィンドウの総数が多ければ、8GBのメモリでは足りなくなってしまうでしょう。
こういった場合は、メモリを16GBにすることで違いが出てきます。
VRを使ったり、ゲームをやる場合
たとえば、Meta社のMetaQuest2を繋げて使う場合、PCに求められる推奨メモリ容量は8GBですが、実際にはメモリ16GBあったほうが快適に動くのです。
MetaQuest以外も含め、VRを使う場合、一般的には16GBのメモリがあったほうが良いとされています。
同様に、多くのゲームも8GBで動きますが、快適なプレイには16GBあった方がよく、fpsゲームでは特にそれが当てはまるといえます。
fpsゲームの場合、プレイ中画面のカクつきや遅延は致命的ですが、メモリ不足はこういった症状に直結するので、メモリは16GBあったほうがよいでしょう。
本格的な動画編集を行う場合
動画編集を本格的に始めるとなると、動画編集ソフトとしてAdobe Premiereを使うことが多いと思います。
Adobe Premiereの推奨環境は、フルHD動画の編集をする場合でメモリ16GBとされており、8GBでは操作に難が出てしまいます。
4Kなどの高画質動画を編集するのであれば、Premiereの推奨は32GBとされており、メモリ8GBでは非常に厳しいです。
動画編集は搭載メモリが大容量かどうかでスピードに大きな差が出ますので、メモリ16GBは必達といってもよいでしょう。
8GBと16GBで違いは大きいでしょうし、さらに上の32GBにしたときも大きな違いが出るといえます。
仮想デスクトップ環境を構築したい場合
仮想デスクトップとは、デスクトップ画面を複数用意して、それぞれを切り替えて使用する機能です。
仮想デスクトップをつかう場合、画面に映ってないデスクトップもその数だけメモリを消費するので、メモリ消費量が増えます。
仮想デスクトップをいくつも作成するような使い方ではメモリを多く消費するので、メモリ8GBと16GBで違いが出てくるでしょう。
あまりシャットダウン・再起動しない使い方をする場合
メモリの中身はシャットダウンや再起動をするたびにリセットされます。
ブラウザがタブを閉じてからも使っているメモリも、シャットダウンや再起動をするとリセットされます。
一回の使用が短時間で、使用後その度にシャットダウンする使い方であれば、こまめにメモリがリセットされるので、メモリ8GBと16GBで違いが出ないかもしれません。
しかし、例えば長時間起動しっぱなしでブラウザを使い続けたりすると、ブラウザを閉じてもメモリを消費したままになるので、メモリ16GBあったほうが良い場合があります。
また、作業を中断するときにシャットダウンせず「スリープ」や「休止状態」にする使い方をするのであれば、メモリ16GBのほうがよいでしょう。
なぜなら、「スリープ」「休止状態」はメモリを消費した状態のまま電源を落とす機能で、再び電源を入れる(再開する)と、再開した時点ですでにメモリを消費しているのです。
たとえば仕事終了時にシャットダウンをせず、スリープや休止状態にして、翌朝電源を入れてそのまま作業を再開するような場合がこれに当てはまります。
この場合、電源を入れた段階で、前日に使っていたデータがメモリを消費したままのなのですが、こういった使い方を続けると、8GBではいずれメモリを使い果たしてしまいます。
16GB以上のメモリを搭載するべきでしょう。
「メモリは8GBで快適」は本当か?
一昔前までは、普通の使い方ならメモリは8GBで大丈夫、と言われてきました。
しかし、今現在では、多くの場合に「メモリ8GBで快適」とは言い切れなくなっています。
理由は、ソフトの使用メモリが年々増えており、ソフトをいくつか同時に開いただけで、メモリ8GBでは収まりきらなくなるパターンが増えているからです。
画像処理・動画編集・ゲーム用途など、昔からメモリを消費するといわれてきた使用方法はもちろん、最近は、ブラウザで複数のタブを開くだけで、メモリ8GBを使い切ってしまうパターンが多く、メモリ8GBでは事務仕事やネットサーフィンでも足りなくなることがあるのです。
これから新しいPCを購入する場合は、メモリを16GBにするのがおすすめです。
メモリ8GBのPCと比べて、快適さに大きな違いが出るでしょう。
仕事における大容量メモリの有効性
気づいている人があまり多くないですが、実は仕事用PCにおいては、メモリの重要性はとても高いのです。
いまだにメモリ4GB・8GBのPCを使っているオフィスが多いといわれていますが、実は、PCの性能不足の中でも仕事の生産性低下に最も大きな影響が出るのは、メモリ不足ともいえます。
メモリ不足は一般的に、仕事において以下のような問題を引き起こすでしょう。
- メモリ不足でPCの操作が突然止まったり、動かなくなる(いわゆるフリーズ状態)
- メモリ不足による動作不安定からデータが保存できないまま強制終了したり、強制再起動がかかる
- 一つ作業が終わるたびに、そのアプリとファイルを閉じなければ次のファイルが開けない。
- 同時に複数のファイルを開けないので、資料を見ながら入力するような作業が大変。無理矢理開いて作業すると、作業中にフリーズなどが発生する
こういった状況はメモリ16GBにすると大きな違いが出るといえます。
4GB・8GBのときに出てきた様々なトラブルや問題がかなり解消されるのです。
また、メモリを32GB、64GB搭載したPCになると、使用するアプリを全て起動した状態で作業できるので、アプリ起動・終了のタイムロスがなくなります。
管理人の場合は、ネット広告の業務をする際には、各クライアントの管理画面を同時に開き、広告編集用のアプリをひらいたままにして、Googleドライブのブラウザアプリを使いつつ仕事することがあります。
メモリ8GBの時は、同時に開くアプリやブラウザの数を減らしたり、時々再起動したりしていました。
しかしメモリを16GBに増設してからは、朝から夜までずっと、使うアプリを全部開いたままで仕事をすることができました。
毎回起動・終了を繰り返すタイムロスがなくなり、時間の節約だけでなく、心理的なストレスも減ったように感じます。
もしあなたが、メモリ16GB未満のPCを仕事で使用しているのであれば、メモリの増設は作業効率アップのためにとても有力な選択肢です。
当サイトおすすめのメモリを掲載しておきますので、良ければ参考にしてください。
第13世代Core iシリーズ・Ryzen 7000番台向けおススメメモリ(DDR5)
第12世代Core iシリーズ向けおススメメモリ(DDR5)
第10、11、12世代Core iシリーズ・Ryzen 3000/5000番台向けおススメメモリ(DDR4)
メモリ増設は基本2枚1組で行う
メモリを増設する際、気を付けることがあります。
メモリを16GBにするのであれば、16GBのメモリを1枚挿すのではなく、半分の容量である8GBのメモリを2枚1組で挿しましょう。
一部のノートPCなどを除き、メモリは2枚単位で増設できるようになっています。
メモリ8GBのPCのメモリを16GBにする場合は、すでに挿してある2枚のメモリ(4GBx2)を抜いて、そこに8GBのメモリを2枚挿しかえるのが基本です。
メモリの増設を2枚1組でやる理由は、最近販売されているPCの多くがデュアルチャネル(メモリ2枚から同時にデータを読み書きする高速化技術)という技術を使っているためです。
デュアルチャネルで動かすには、同容量2枚のメモリを挿す必要があるのです。
なお、メモリの増設方法は別の記事で取り扱っています。
ゲーミングPCメモリ増設方法を完全解説【必要な容量や選び方まで】
まとめ:本格的にPCを使うならメモリ8GBと16GBの違いは大きい
- ソフト・ウィンドウ・タブをあまりたくさん開かない、PCの使用はいつも短時間、使い終わったら毎回シャットダウンするような使い方では、8GBと16GBの違いはあまり出ない
- たくさんのソフトやウィンドウ、ブラウザのタブを大量に開く、1日中使う、使い終わってもシャットダウンしないでスリープや休止にするような使い方では、メモリ8GBと16GBで差が出てくる
- メモリが足りないなら、増設も手。増設する際は同容量2枚1組で増やす
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参考サイト
Windows 10 の仮想デスクトップとは?便利な使い方まとめ(HP公式サイト)