ゲーミングPC自作【予算10万モニター込】自作歴25年のベテランが解説

ゲーミングPCは高価な買い物です。
快適なゲームプレイを求めるのであれば15〜20万円以上のゲーミングPCを購入するのがおすすめですが、どうしても予算が足りない場合、格安のゲーミングPCが欲しいという人もいるでしょう。
10万円ちょっとで販売されているゲーミングPCもありますが、モニターなど周辺機器をあわせると、どうしても15万円近くになってしまいがちです。
どうしても予算10万円に抑えたい、と思っても、BTOなど市販のゲーミングPCでそれをかなえるのは、在庫処分セールなどの場合を除き、とても難しいです。
その場合、予算を抑えてゲーミングPCを自分で作る、自作するという選択肢があります。
この記事では、予算10万円でゲーミングPCを作るとしたらどういった構成にするのがおすすめかどうか、また、予算10万円で作るゲーミングPCではどのようなゲームができるかについて解説しています。
合わせて、予算をちょい足しした予算12万円のゲーミングPCや、超ライトゲーム向けに予算7万円のゲーミングPCの構成も紹介しています。
なお、この記事の価格は基本的に「モニター・Windows・キーボード・マウス込み」の金額で出しています。
サイトによってはパーツのみで予算10万円の構成を紹介しているところもありますが、その場合はWindowsやモニターなど周辺機器の別途購入により10万円を超えてしまう場合がありますので、注意が必要です。
また金額は管理人調査に基づいて算出したものであり、皆さんが購入する際には必ずしも同じ金額ではない可能性がある点もご了承ください。
目次
予算10万円で作れるゲーミングPCの構成まとめ
予算10万円、モニター・キーボード・マウス込みのおすすめゲーミングPCの構成は以下のとおりです。
CPU | Core i3-13100F | ¥17,000 |
マザーボード | LGA1700 M/B H61M | ¥15,000 |
グラフィックスカード | GeForce GTX 1650 | ¥22,000 |
メモリ | DDR4 16GB | ¥6,000 |
SSD | 250GB以上 | ¥3,000 |
電源 | 400-500Wくらい | ¥5,000 |
ケース | とにかく安いもの | ¥4,000 |
Windows | Windows10 or 11 | ¥15,000 |
計:87,000
キーボード・マウス・モニターを足して10万円のプランです。
キーボード・マウス・モニターに割ける予算がギリギリですが、キーボード・マウスは安ければそれぞれ数百円から、モニターも旧型の処分品を探せば1万円くらいで購入可能です。
構成の説明に入ります。
まずグラフィックスカードは、予算制約の中でできるだけ高性能なものとして、GeForce GTX 1650。
同価格帯でGeForce GTX 1660が販売されていることがありますが、予算が許すならばこちらにするのがおすすめです。
ただし、2023年4月時点ではほとんど店頭から消えており、予算内で見つけたらすぐにおさえてしまうことをお勧めします。
CPUは、Core i3-13100F。
ゲーミングPCでよく使われているCore i5/i7ではありませんが、第13世代になるとCore i3でもかなりの性能を持っています。
コア数は少ないですが、ゲームは元々高クロックのCPU(GHzの数値が大きいもの)であれば少ないコア数でも快適に動くタイプのプログラムですので、あまり気にしなくてもよいでしょう。
Core i3-13100Fは最大4.50 GHz。クロックだけであれば、前世代のゲーミングPCによく使われているCore i5-12400を超えます(Core i5-12400の最大クロックは4.40 GHz)。
電源はとにかく高品質で安いものを。
詳しい説明は省きますが、ゲーミングPCにとって電源はとても大切なものです。
いわば縁の下の力持ち。
10万円に収めるため予算は5000円が限界で、容量は最低ラインになりますが、ネットの情報などを確認しながら、なるべく評判の良いメーカーの評判の良い商品を選びましょう。
自作PCの良いところに、自分好みのケースを選べるところがあります。
しかし今回は予算がないので、最安値クラスのケースから選びましょう。
予算4,000円くらいで購入できるケースを置いているPCパーツショップはいくつかみかけますので、そのなかから選ぶのが良いでしょう。
メモリは多くも少なくもなく、16GB。
ここを節約して8GBにしても、浮く予算はわずかです。
しかしその場合、動作が非常に遅くなる可能性があるので、プラス数千円して16GBにしましょう。
SSDは250GBだと心もとないですが、予算的にこれがギリギリです。
ちなみに、SSDはこの予算に数千円足すと500GBクラス、場合によってはそれ以上の容量をもったSSDが視野に入ります。
例えば一か月分だけ小遣いを貯金するとか、社会人ならばランチを節約するなど、生活のほかの部分でちょっとだけお金を節約し、上のランクのものを購入するのも手かもしれません。
マザーボードというのはCPUやメモリ、グラフィックスカードなどを取り付ける大きな基盤ですが、管理人の調査ではH61Mという部品をつかったものが最も安かったです。
LGA1700というのはCPUを載せる部分(CPUソケット)の規格ですが、同じLGA1700でも第12世代Core iシリーズにのみ対応したものがあります。
第13世代Core iシリーズ対応が明記されているものを選びましょう。
最後にWindowsになりますが、2023年現在、Windows10かWindows11のいずれかを選択することになります。
Windows10のほうが多少安い傾向がありますが、好みで選べばよいでしょう。
同じWindows10・Windows11のなかでもHomeなど様々な種類があり、値段が違いますが、一番安いもので大丈夫です。
Windows10は2年後の2025年にサポートが終了しますので、購入するのであれば、それまでにWindows11へのバージョンアップを忘れずに行うのが大切です。
またWindows7/8/8.1やそれより前のWindowsはサポートが終了していますので、使用しないことを強くお勧めします。
やりたいゲームの必要・推奨環境がWindows7/8/8.1になっていても、Windows10・11を使うべきです。
予算ちょい足しプラン(モニター込み12万円)の構成まとめ
これまでモニター・キーボード・マウス込みで予算10万円のゲーミングPCの構成を説明してきましたが、予算を少し足して、予算12万円でゲーミングPCを購入するとした場合、どのような構成になるかも合わせて書いておきます。
CPU | Core i3-13100F | ¥17,000 |
マザーボード | LGA1700 M/B H61M | ¥15,000 |
グラフィックスカード | GeForce RTX 3060 | ¥41,000 |
メモリ | DDR4 16GB | ¥6,000 |
SSD | 250GB以上 | ¥3,000 |
電源 | 600-700Wくらい | ¥8,000 |
ケース | とにかく安いもの | ¥4,000 |
Windows | Windows10 or 11 | ¥15,000 |
計:¥109,000
キーボード・マウス・モニターを足して12万円のプランです。
先ほどとの違いは、グラフィックスカードと電源です。
現在発売されているゲーミングPCの多くで採用されている、GeForce RTX 3060に変更しました。
また、GeForce RTX 3060は、10万円プランのGeForce GTX 1650と比べて電気を大量に消費しますので、電源はより容量が多く、より高品質なものを選べるよう予算を引き上げてあります。
これくらいのゲーミングPCであれば、15万円クラスで販売されているゲーミングPCに近い快適さが得られるでしょう。
なお、10万円・12万円両方のプランで言えることですが、購入の際に少しでも予算が余ったら、電源を1ランク上のものにするのがおススメです。
先ほど書きましたが、電源はゲーミングPCにとって縁の下の力持ちです。
安定した環境での快適なゲームプレイのためにも、予算が許す限り良いものを使いましょう。
予算10万円ゲーミングPCの性能とは?
まず大前提として、予算10万円のゲーミングPCはライトゲーム向けです。
フォートナイトやマイクラなどのバニラ状態のものや、FF11やラグナロクオンライン、マビノギ、レッドストーンなどの古いゲームでのプレイにおすすめできるゲーミングPCです。
ApexLegendsやバトルフィールドシリーズのようなfpsゲーム、またフォートナイトやマイクラ、アセットコルサのようなゲームでMODを使う場合は、もっとハイスペックのゲーミングPCを組み立て・購入するべきでしょう。
ただし、ゲーミングモニターを使う予定がなく、最大60fpsでお手軽プレイをする前提であれば、こういったゲームのプレイも可能といえば可能です。
もう一点注意するべきことは、予算10万円のゲーミングPCでは、PS5などのゲーム機より快適にプレイできるとは限らないことです。
特にPS5は、現在発売されているゲーミングPCに近い性能を持っています。
10万円出してゲーミングPCを自作するより、5〜6万円のPS5のほうがフレームレートが出るようなこともあり得ます。
格安で快適なゲームプレイを追求したいのであれば、ゲーム機のほうがよいかもしれません。
予算10万円ゲーミングPCはどんな人向け?
予算10万円のゲーミングPCがおすすめできるのは、「お金が厳しいけれど、ゲーム機もパソコンも欲しい人」です。
先ほども書いたように、純粋にゲーム用としては、PS5などゲーム機に対する性能上のアドバンテージはありません。
しかし、普段使いなどを含めた、ゲーム以外の用途にも使える柔軟性はゲーミングPCならではといえるでしょう。
例えば大学のレポートを書いたり、仕事でテレワークをするのにPCが必要な場合、こういった用途にも使えるゲーム機として予算10万円のゲーミングPCの自作をセレクトするのは賢い方法といえます。
10万円のゲーミングPCは、ただのゲームマシンととらえるのではなく、日常生活や仕事・学業にも役立つ、オールマイティなゲーム機ととらえて検討することをお勧めします。
特にお金が限られる学生さんには、おすすめの選択肢のひとつかもしれません。
なお、はじめてゲーミングPCを購入する方には、自作はハードルが高いでしょう。
はじめてゲーミングPCを購入するのであれば、普通の完成品ゲーミングPCを購入するのが良いでしょう。
予算別に初心者おススメのゲーミングPC構成について紹介した記事がありますので、そちらも参考にしてください。
ゲーミングPCを自作するメリット
予算10万円で作るゲーミングPCについて解説してきました。
BTOショップなどの完成品ゲーミングPC、もしくはゲーム機を購入する場合と比べて、ゲーミングPCを自作するメリットは一般的に次の3点です。
- 予算に応じて部品構成を自由に決められる
- 静かさや性能、水冷など、自分のこだわりに合わせたゲーミングPCが作れる
- 改造や部品追加・交換が簡単なので、長持ちさせることができる
自作であれば、部品構成を自由に決められるから、予算10万モニター込みで作ることが可能です。
また、ゲーミングPCとして必要な性能に特化することで、SSDやケースなどにお金をかけず、最低限の予算でそこそこのプレイができるゲーミングPCを作ることができるのです。
もう一点いえるのが、10万円のゲーミングPCは、お金が貯まったときにCPUやグラフィックスカードをより高性能なものに交換することで、新品購入すれば20万円を超えるような高性能ゲーミングPCと同クラスの性能に作りかえることも可能です。
一旦は格安でゲームを始めて、お金が手に入ったタイミングで改造し高性能化する、といった、ゲーム機ではできないグレードアップができるのは、自作ゲーミングPCならではといえます。
まとめ:予算10万円でゲーミングPCを自作することはできる
- モニター&キーボード・マウス込み、予算10万でゲーミングPCを自作することは可能。Core i3-13100F + GeForce GTX 1650の組み合わせをベースに、他の部分をやりくりして予算内に収める。
- 予算10万のゲーミングPCはライトゲーム向け。フレームレートを追求しないお手軽プレイなら、ApexLegendsなどのFPSゲームも可能。
- 予算10万のゲーミングPCがおすすめできるのは、「お金が厳しいけれど、ゲーム機もパソコンも欲しい人」。
参考にしたECサイト:TSUKUMO、
アークオンラインストア