Ryzen5 5600Gのグラフィックス性能を試す|ゲームも動く内蔵GPU

Ryzen5 5600G+内蔵グラフィックスでゲームがどれだけ動くのか検証しました

Ryzen 5 5600Gの評価まとめ

Ryzen 5 5600Gの評価をまとめると、このような形になります。

メリット

  • 内蔵グラフィックスを搭載しているので、格安でPCが作れる
  • フォートナイトやApexなど、軽めのゲーム&低画質設定ならそこそこ遊べる
  • FFXIのような大昔のゲームなら、画質にこだわっても普通にプレイできる

デメリット

  • ゲーミングPCより画質や反応速度が劣る
  • 本格的なゲームプレイには向かない

おすすめ用途

  • 低画質&低フレームレートでもいいので、軽めのゲームを格安でプレイしたいとき
  • 昔のゲームをプレイしていたPCが古くなったので、買い換えたいとき
  • グラフィックスボードを増設する前提で、先にPCがほしいとき
  • グラフィックスボードと組み合わせてマルチモニターゲーミングPCがほしいとき

Ryzen 5 5600Gのスペック・価格

Ryzen 5 5600Gのスペックは以下の通りです。

プロセッサ名 Ryzen 5 5600G
ソケット形状 Socket AM4
世代 Ryzen 5000シリーズ
コア数 6コア
スレッド数 12スレッド
クロック周波数 3.9GHz
最大動作クロック周波数 4.4 GHz
二次キャッシュ 3MB
三次キャッシュ 16 MB
グラフィックス Radeon Graphics
TDP 65 W

このようなスペックを持ったRyzen 5 5600Gは、記事執筆時点(2024年4月)で最安値16,000円台くらいです。

すでに販売は終息に向かっており、後継機種のRyzen 5 5600GTやRyzen8000シリーズも発売されています。

Ryzen 5 5600GはRyzen 5 5600GTと似たスペックで、性能も大きく変わらないと思われます。

しかしRyzen 5 5600Gがほしい方は、早めに手に入れておいたほうがよいかもしれません。

Ryzen 5 5600Gでゲームを動かす

Ryzen 5 5600Gの内蔵グラフィックスでどこまでゲームが動くか、見ていきましょう。

なお、今回は設定をチューニングしておらず、デフォルト運用です。

メモリをオーバークロックするなどチューンナップすることでより性能を引き出せる可能性はありますが、通常使用でどのくらいゲーム用途に耐えうるかを検証しています。

Apex Legends

最低設定(こちらの記事の検証で使った設定)で検証しました。

訓練室では70fpsほど、実戦では30〜80fpsほどのフレームレートでした。

多人数で打ち合ったときに30fps台まで落ち、打ち合いが少々大変でした。

お試しプレイか、勝敗にこだわらずゲームを楽しむくらいであればプレイできる印象です。

ApexLegendsのプレイでは撃ち合いの時に30~40fps前後まで落ち、お試しプレイが限界でした

 

フォートナイト

軽めのゲームとして有名なフォートナイトですが、クオリティプリセット「低」にして検証しました。
降下時で60fps前後、バトル中で80〜100fpsくらいという感じです。

降下時:61fps

Ryzen5 5600Gでフォートナイト、降下時フレームレート61fps

 

バトル中:94fps

Ryzen5 5600Gでフォートナイト、バトル中フレームレート94fps

Final Fantasy XIV

FF14のベンチマークソフトを回してみました。
黄金のレガシーから必要スペックが上がったこともあり、厳しいかなと思っていましたが、標準画質で4378(普通)という結果になりました。

FFXIVBench黄金のレガシー、標準画質(デスクトップ)で4378(普通)

暁のフィナーレまでであればそこそこ動いた可能性もありますが、黄金のレガシーはやはり厳しそうです。

Final Fantasy XI

FFXIは20年以上前のゲームで、ゲームソフトの既存設計は基本的に当時のままです。

2024年現在ではグラボなしのモバイルノートPCなどでも、画質にこだわらなければ普通にプレイできてしまいます。

Ryzen 5 5600Gであれば、グラボなしモバイルPC以上に快適なプレイが可能です。

FFXIConfig「最高設定」 + ゲーム内コンフィグの画質&エフェクト設定をすべて最高(天候エフェクトON・影エフェクトリアル、含む)にして、重い土日夜の街中でも問題なく動きました。

プレイ中にタスクマネージャでCPU・GPUの使用状況をとってみましたが、現在最も重い場所の一つである東アドゥリンの競売所前でも、十分パワーに余裕がありました。

CPU占有率は10%ほど。

リソースモニターでコアごとの負荷を見たところ、一番負荷のかかっているコアで80%ほどでしたが、クロックにまだ多少余裕がある状態でした。

内蔵GPUも占有率は50%ほどで余裕ありです。

CPU:占有率10%ほど。

Ryzen5 5600Gで東アドゥリン、CPU占有率10%ほと

リソースモニターで見ると、CPU2が占有率50~80%で推移しています。

GPU:占有率40%弱。VRAMは常時1GB弱消費しています。

なお、FF11をプレイするのであれば、BIOS設定でVRAM容量を2GBまであげることをお勧めします。

Ryzen 5 5600Gを搭載したPCはデフォルトでVRAM512MBのことが多いですが、それだとギリギリです。

512MBでも動きますが、一般的にはVRAM不足はフレームレートや画質の低下などを引き起こすので、余裕を持つのがよいでしょう。

計測していた限りでは、最大でVRAM消費量は1GB前後でしたので、2GBあれば足りると思います。

20年前にはハイスペックゲーミングPCが必要だったFF11を、内蔵グラフィックスで高画質かつ快適にプレイできるというのは、時代の流れを感じるものです。

なお、別記事にてRyzen搭載のモバイルノートPCでFFXIを動かす検証も行っております。あわせて参考にしてください。

原神

原神は比較的軽めのゲームですが、高めの設定で30fps台、最低設定+SMAAで50fps前後、最低設定+アンチエイリアスなしではほぼ60fps前後で安定しました。

ApexやVALORANTと違い、フレームレートが勝敗に直結するようなゲームではないので、コンフィグを調整すればRyzen 5 5600Gの内蔵グラフィックスでもそこそこのプレイは可能でしょう。

最低画質 + SMAA:52fps

Ryzen5 5600Gで原神、SMAA+最低画質52fps

最低設定+アンチエイリアスなし:60fps

Ryzen5 5600Gで原神、アンチエイリアスなし+最低画質で60fps

ちなみに、Ryzen 5 5600GはFSR(AMD FidelityFX™ Super Resolution)というフレームレートを上げる技術が使用できるので、これをONにして計測してみました。

結果はSMAAとほぼ同クラスのフレームレートという結果に。

他の画質設定でも数fps上がるくらいでした。

軽いフィールド限定の可能性もありますが、FSR2の効果は体感できるレベルではないのかもしれません。

最低画質 + FSR2:51fps

Ryzen5 5600Gで原神、FSR2+最低画質で51fps

Ryzen5 5600Gはゲームのお試しプレイに最適

Ryzen 5 5600Gでのゲームプレイについてまとめると、以下の通りです。

  • フォートナイトや原神のような軽めのゲームを画質にこだわらずお試しプレイするならOK。FF11のような大昔のゲームをプレイするなら最適
  • 最新のゲームをプレイするには、お試しプレイでもやや力不足
  • 予算不足でグラフィックスボードが買えないときの一時しのぎには悪くない。グラフィックスボードを増設すれば普通にゲームがプレイできる

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参考記事

AMD FidelityFX™ Super Resolution

高解像度と性能を両立できるAMDの技術「FSR」をRadeonとGeForceで試してみた(Impress PC Watch)


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