垂直同期カンタン完全解説|オン・オフどっち?【初心者向け】

ゲーム攻略サイトなどで、カクつきや遅延の対策で垂直同期をオフにするとよいという話を見ることがあります。この垂直同期とは一体どういったものなのでしょうか。また、オフにすることでデメリットはあるのでしょうか。
この記事では、垂直同期とはどういったものか、オンにするメリットとデメリットにはどのようなものがあるか、また垂直同期をオフにする設定方法について解説したうえで、垂直同期の欠点を克服したFreeSyncやG-Syncといった技術に触れています。
垂直同期という技術的な話は一見難しそうに見えますが、簡単に知っておくだけでも、ゲームプレイ中のトラブル回避に役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

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垂直同期を初心者向けにざっくり説明

垂直同期は、一言でいうと画面表示の乱れを防ぐ技術です。

垂直同期をオンにすると、グラフィックスカードの性能とディスプレイ性能の違いによる画面表示の乱れを防ぐことができます。

しかし、垂直同期をオンにすると、遅延やカクつきが発生する可能性も同時に出てきます。

まとめると、

  • 垂直同期オン⇒画面表示の乱れは防げるが、遅延する可能性が大きくなる
  • 垂直同期オフ⇒画面表示が乱れる可能性はあるが、遅延しにくい

ということになります。

そして、遅延がゲームプレイに大きく影響するゲーム、例えばApexLegendsやフォートナイト、VALOLANTなどの場合は、画面表示が乱れる可能性があっても垂直同期をオフにするのがよいといわれているのです。

垂直同期をより詳しく説明

ここからは、画面表示の乱れなどが発生する仕組みもみながら、より詳しく解説していきます。

初心者の方にもわかりやすいように書いてありますが、難しければ、オンにするとカクつくけれどもオフにすると画面が乱れるという、上に書いたことだけ理解できれば一旦は大丈夫です。

垂直同期のメカニズム

垂直同期をより詳しく説明すると、垂直同期はティアリングと呼ばれる状態を防ぐ技術といえます。

ティアリングというのが、先ほど書いた「グラフィックスカードの性能とディスプレイ性能の違いによる画面表示の乱れ」のことです。

イラストを交えながら、仕組みを見ていきましょう。

グラフィックスカードの生成する画面表示信号にはフレームレートのデータが含まれます。

それを表示するディスプレイ側には、フレームレートに対応するリフレッシュレート(Hz:ヘルツという単位を使います」)と呼ばれるものがあります。

フレームレートとリフレッシュレートの数値が一致すれば画面は正常に表示され、問題は発生しません。

例えば、フレームレートが60fpsのときはリフレッシュレートが60Hz(ヘルツ)であれば何の問題もなく画面はきれいに表示されます。

しかし、グラフィックスカード側が144fpsにできるにもかかわらず、モニターが60Hzまでしか対応していないような場合、フレームレートとリフレッシュレートの数値が一致せず表示が追い付かないために画面の乱れが発生します。

具体的には、画面に横筋が入るようにずれる現象が起きます。

それがティアリングと呼ばれるものです。

垂直同期では、このような時に、グラフィックスカードの出力信号におけるフレームレートの上限を強制的に60fpsに抑えることによって、ディスプレイで表示が追いつかないという問題を防ぎます。

これが、垂直同期の仕組みです。

しかしこの方法には問題があります。

グラフィックスカードのフレームレートが60fpsより下になってしまった場合、今度は逆に、ディスプレイの表示にグラフィックカードの表示が追いつかなくなってしまうことがあります。

これをスタッタリングといい、画面表示がカクついたり、表示に遅延が発生するのです。

垂直同期のメリットとデメリット

つまり、垂直同期のメリットとデメリットをまとめると、

  • 垂直同期のメリット:ティアリングを防ぐことで表示画面の乱れを防止できる
  • 垂直同期のデメリット:スタッタリングが発生する可能性がある

となります。

垂直同期でティアリングを防ぐことによりきれいな表示ができるのですが、画面表示の遅延・もたつき・カクつきが起こりうるということです。

そして遅延は、いわゆるfpsゲームでは致命的です。

この遅延が、画面表示が乱れるリスクがあっても、垂直同期をオフにする理由です。

多少の画面表示乱れを覚悟してでも遅延を起こさないことで、プレイに影響を出さないようにするため、垂直同期をオフにするのです。

垂直同期をオフにするべきゲーム

垂直同期をオフにするべきゲームとは、いわゆるfpsゲーム、例えばApex Legendsやフォートナイト、VALOLANT、タルコフ、などです。

高フレームレートを追求してリアルタイムでバトルをするようなゲームです。こういった、一瞬の判断で勝敗が左右されるようなゲームでは、垂直同期をオフにするべきでしょう。

逆に、いわゆるMMORPGなどで、多少のカクつきを許容できるような環境・プレイスタイルで、高画質を追求したい場合は、垂直同期をオンにするのも手です。

垂直同期をオフにする方法

垂直同期をオフにする方法は大きく分けて2つあります。1つはnVIDIAコントロールパネルで設定する方法、もう一つはゲームソフトやSteam側で設定する方法です。

nVIDIAコントロールパネルからオフにする

nVIDIAコントロールパネルから設定する場合、デスクトップ画面上で右クリック⇒NVIDIAコントロールパネル をクリックしてnVIDIAコントロールパネルを開いた後、3D設定→3D設定の管理、項目内にある「垂直同期」をオフにします。

ゲーム設定からオフにする

ゲーム内設定からオフにできる場合もあります。設定はゲームごとに異なりますが、ここではApexLegendsを例にとって説明します。

ApexLegendsの場合、ゲーム内ビデオ設定の「アドバンス」にある「垂直同期」を無効にすることで設定します。

FreeSync、G-Syncは垂直同期の欠点を克服した新技術

このように、垂直同期にはメリットとデメリットがあり、特にデメリットの画面表示遅延がfpsゲームで致命的になるため、オフにするユーザーが多いのが現実です。
しかし垂直同期をオフにするとティアリングが発生するリスクがあり、画質と遅延防止の両立が難しくなっています。

こういった垂直同期の欠点を克服できるのが、FreeSyncやG-Syncと言われる技術です。FreeSyncやG-Syncは、ティアリングを抑えつつスタッタリングも防ぐことができるといわれています。

対応しているグラフィックカードとモニターが必要で、対応モニターは少々高めですが、プレイ環境にこだわりたいユーザにはぜひ1度試してみることをおすすめします。

きれいでなめらかな画質はプレイの没入感を高めるでしょう。

FreeSyncとNVIDIA版FreeSyncといわれるG-Sync Compatibleについて書いた記事がありますので、そちらも参考にしてください。

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高画質と高フレームレートのバランスが取れた、MMORPGからFPSゲームまで、オールラウンドでパフォーマンスを発揮するおすすめのモニターです。


垂直同期以外の設定もしっかりと

これまでで説明したような、垂直同期をオフにする設定をしても遅延が発生するという場合、原因の一つの可能性として、設定に誤りがあることが考えられます。

ゲーミングPCの初期設定を行った際に漏れがあると、ゲーミングPCのパフォーマンスが十分に活かせず、遅延などさまざまな問題が発生する可能性があります。

そのような場合、一度設定項目を見直してみてはいかがでしょうか。

ゲーミングPCを購入時に設定するべき項目をこちらの記事にまとめてあります。

設定の漏れがないかどうかの確認のためにも使えますので、ぜひ利用してください。

まとめ:垂直同期はfpsゲームではオフにするのがおすすめ

  • 垂直同期オフの設定はnVIDIAコントロールパネルかゲーム内の設定で行う
  • 垂直同期をオンにするとティアリングによる画面表示乱れが防げるが、スタッタリングによる遅延を起こしうる。fpsゲームではオフにするのがおすすめ
  • 垂直同期の欠点を克服したFreeSyncやG-Sync対応環境の導入もおすすめ

参考サイト:ティアリング(Wikipedia)垂直同期(ドスパラ公式サイト)


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