動画編集用PCのメモリ容量は32GBがおススメ。その理由を徹底解説
動画編集用PCのメモリ容量は、16GBもしくは32GBが一般的に推奨されています。
そして当サイトでは、メモリ32GBをお勧めしています。
32GBをお勧めする理由は、①フルHD(1080p)動画編集は32GBだとより快適だから、②動画編集をしながら、同時にほかのアプリも開けるから、③動画編集クリエイターに愛用されているメジャー動画編集ソフト Adobe Premiere Proの推奨メモリが32GBだから、④16GBと32GBでメモリの価格差が小さいから、です。
目次
動画編集用PCのメモリ容量は32GBがおすすめ
当サイトではメモリ32GBをお勧めする理由は以下の通りです。
32GBをお勧めする理由は、以下の通りです。
- 16GBでもフルHD(1080p)動画編集は可能だが、32GBのほうがより快適
- 動画編集をしながら、同時にほかのアプリも開ける
- Adobe Premiere Proの推奨メモリが32GB
- 16GBと32GBでメモリの価格差が小さい
YouTubeの標準解像度である、フルHD(1080p)の動画を編集するには、最低でも16GBが必要です。
8GBでは、操作がもたついたりかくかくしたりして、操作にストレスを感じるでしょう。
720p(1280×720)の動画であれば編集可能かもしれませんが、画質が荒く、YouTube に載せるにも、ゲーム録画として使うにも不向きです。
ゲーム録画ですと、画面の文字(ログなど)が潰れてしまい読めなくなることもあります。
現在、動画の最低ラインはフルHDと考えてよいでしょう。
そのフルHD動画が普通に編集できるのがメモリ16GBです。
そして、32GBあれば重たいエフェクトを複数使うなどの場合でも快適に使用することができるでしょう。
32GBあれば4K解像度の動画編集もできるようになり、今の段階で必要な動画編集はほとんどのことができるようになります。
動画編集中にChromeなどブラウザを開いて調べ物をしたり、Chromeで操作方法を調べながら動画編集をするような場合も、メモリが32GBあったほうがよいでしょう。
Chromeなどのブラウザはメモリを大量に消費します。
16GBだと動画編集で大半のメモリを消費してしまうので、Chromeを開く余裕がある32GBのほうが調べ物もより快適にできるでしょう。
Adobe Premiere Proを快適に使用できるメモリ容量が32GBであることも理由の一つです。
プロの動画編集クリエイターが愛用するAdobe Premiere Proは、4K動画編集の推奨環境がメモリ32GBです。
フルHD動画の編集で重たいエフェクトを複数使用したりすると16GB環境では動作が遅いこともありますが、32GBですと快適に動きます。
これも、メモリ32GBをお勧めする理由です。
そして、これだけのメリットがあるにもかかわらず、メモリ16GBと32GBの価格差はそれほど大きくありません。
2024年段階で、16GBメモリ(8GBx2)と32GBメモリ(16GBx2)の価格差は、DDR4・5ともに5000円くらいです(TSUKUMO公式サイトにて。当サイト調べ)。
これが、当サイトでメモリ32GBを推奨する理由です。
メモリ32GBをお勧めする理由を書いてきましたが、ここからは、メモリがどれくらいの容量あると何ができるのか、という面から、メモリ32GBがおすすめの理由を見ていきます。
メモリの容量別に、できることとできないことを具体的に確認しましょう。
メモリ容量別 できること一覧
メモリ容量を8GB/16GB/32GB/64GB以上にわけて、それぞれの容量でできることを見ていきます。
大まかにいうと、
- 8GB:低解像度動画編集
- 16GB:フルHD動画編集
- 32GB:フルHD快適動画編集、4K動画編集
- 64GB以上:4K快適動画編集、8K動画編集
です
8GBでできる動画編集:低解像度動画
メモリ8GBのPCでできる動画編集は、一般的に次のようなものです。
- 720p(1280×800)のような低解像度動画
- 写真をつなげて作るスライドショー
720pのような低解像度動画でしたら、メモリ8GBのPCでも、なんとか編集できるかもしれません。
ただし、動画編集ソフト本体だけで8GBのメモリを使い切るパターンも多く、720p動画の編集でも、もたついたり操作がカクカクすることがあるでしょう。
また、人気動画編集ソフトのAdobe Premiere Proの最小要件でもありますが、このメモリ容量ではもたつき・カクつきが発生し、操作性に難がでる可能性があります。
写真を並べてそれを次々切り替えて動画にし、音楽をつけて作るような簡単なスライドショーを作るくらいであれば、メモリをあまり消費しない軽い編集ソフトを使うことで可能でしょう。
ただ、高解像度の動画で作成するとなると、スライドショーの作成も、メモリ8GBでは厳しくなります。
16GBでできる動画編集:フルHD動画
メモリが16GBになると、本格的な動画編集アプリが実用レベルで使えたり、Youtube動画の標準解像度であるフルHD動画を編集できるようになります。
ゲーム実況配信ができる最低ラインも16GBで、16GBあれば大体のことはできるようになります。
ただし、大量のエフェクトを追加した動画編集や、3D動画編集、4Kのような高解像度編集となるとメモリが不足する可能性があります。
メモリ16GBのPCでできる動画編集は、一般的に次のようなものです。
- フルHD(1080p)クラスの動画編集(Youtube用など)
- Adobe Premiere Proのような本格的アプリを実用レベルで利用
- メモリをあまり消費しないゲームの、ゲーム実況配信
- その他、基本的な動画編集(スライドショー作成等)
32GBでできる動画編集:4K動画、フルHD動画(快適)
当サイトおすすめの容量です。
メモリ32GBになると、重たいエフェクトを複数つけての動画編集や、4K動画の編集もできるようになります。
メモリを消費する3D動画のレンダリングも、このクラスであれば快適です。
また、こういった操作をしながら、ブラウザなど他のアプリを開くことができるのもこのクラスのメリットです。
アプリの操作方法を調べながらの動画編集作業も快適にできますし、ゲームソフトと録画・動画編集ソフトを同時起動する場合も、32GBなら概ね問題ありません。
メモリ32GBあれば、大体の動画編集は快適にすることができるでしょう。
当サイトがメモリ32GBをお勧めする理由の一つです。
メモリ32GBのPCでできる動画編集は、一般的に次のようなものです。
- フルHDクラスで重いエフェクトを大量に追加した動画編集
- 4K動画編集
- 3D動画のレンダリング
- 動画編集をしながらブラウザなどを開いて別作業をする
64GB以上でできる動画編集:8K動画
メモリ64GBになると、8K動画の編集もできるようになります。
また、重たい動画編集をしながらブラウザなど別アプリを開いて同時並行で作業することも快適になります。
しかし、今主流のフルHD、4Kの動画編集は32GBで十分快適ですので、64GB以上のメモリは比較的オーバースペックといえるでしょう。
メモリ64GB以上のPCでできる動画編集は、一般的に次のようなものです。
- 8K動画編集
- 重たい動画編集をしながらブラウザなどを開いて別作業をする
動画編集で大切な「メモリ」とは
そもそも、動画編集で大切になる「メモリ」とは何でしょう。
メモリとは、CPUで計算したデータの一時置き場です。
仕事場に例えると、作業机のイメージです。
人が作業をする際、本棚から資料を持ってきて、作業机に広げて、作業をします。
この場合の本棚はストレージ(SSD/HDD)です。
人が作業する際に、必要な資料をその都度本棚から出して片付けを繰り返していると時間がかかるので、作業机であるメモリに資料、つまりデータを広げておくのです。
メモリにデータを広げておくことで、CPUは低速なストレージにデータを取りに行く頻度を減らすことができ、処理速度が上がるのです。
そして、そのメモリには様々な高速化技術が使われています。
その一つが、デュアルチャネルです。
デュアルチャネルとは同容量2枚一組でメモリをさすことで、メモリの転送速度を高速化させることです。
1つのデータを2つのメモリに分けて広げて、2枚から同時に読みだすことで高速化させるイメージです。
メモリをデュアルチャネルで動かすには、メモリを同容量2枚1組でPCに取り付ける必要があります。
つまり、メモリ16GBにするのであれば、8GBメモリx2枚で取り付けることになります。
基本的にBTOなどの完成品デスクトップPCはほとんどがデュアルチャネルになっています。
ノートPCではなっていないこともありますので、デュアルチャネルにこだわるなら購入前に仕様を確認しましょう。
動画編集のスピードにこだわるなら、購入時にデュアルチャネルになっているかどうかはしっかり確認しましょう。
確認方法は、仕様のメモリ欄を見て、同容量2枚1組になっているかをチェックします。
メモリ16GBのPCで、8GBx2枚のような表記があれば、それはデュアルチャネルになっているということです。
より詳しいメモリのデュアルチャネルについての解説記事も、合わせて参考にしてください。
ほかにも、メモリの世代やメモリクロックもより最新・高速なものを選ぶのがよいでしょう。
ただ、メモリの種類もメモリクロックはCPUによって対応するものが決まっていますので、基本的にそれぞれのCPUで対応している最も高いクロックのメモリを選べば問題ありません。
第3世代Ryzenであれば3200MHzのDDR4、第13世代Core iシリーズであれば5600MHzのDDR5といった感じです。
メモリについてより細かい解説は以下の記事も参考にしてください。
このように、デュアルチャネルやメモリクロックなどは、ちょっと気にかけるだけで動画編集環境をより快適にすることができるので、ぜひ確認しましょう。
まとめ:動画編集用PCのメモリは32GBがおすすめ
- 動画編集用PCのメモリは32GBがおすすめ。
- メモリ32GBあれば、フルHD動画が快適に編集でき、Youtube動画の編集にも最適。4K動画も編集可能。
- メモリとは部屋に例えると作業机のようなもの。広げるスペース(=容量)だけでなく、デュアルチャネルやクロックにこだわって高速化すると動画編集がより快適に
参考サイト:
Adobe Premiere 公式サイト