【CPU比較】ゲームに最適なCPUはどう選ぶ【2024年最新】

CPUとは、ゲーミングPCのパーツの中で、グラフィックスボードと同じくらい大切なパーツです。

CPUの性能はゲーミングPCの性能を大きく左右し、ゲーミングPCのCPUはとても高性能です。グラフィックスボードとCPUが高性能であるため、通常のノートPCでできないような重いゲームが快適にプレイできるのです。

この記事では、そのCPUというパーツがどんな役割をしているか、またゲーミングPCのなかでCPU性能がどのように影響するかを見ていきます。

この記事の主な対象読者

  • ゲーミングPCのなかでCPUがどのような役割を果たしているかを知りたい人
  • ゲーミングPCを選ぶ際のCPU選択で気を付けることを知りたいゲーミングPC入門者&初心者
  • マルチコア・動作周波数など、CPUに使われている基本的な技術について知りたい人

ゲーミングPCにおけるCPUの役割

PCに搭載されているCPUとは、人間でいう「頭脳」にあたり、次のような役割を持っています。

プログラムの計算を行う

例えば、「1 + 1を計算するプログラム」から「2」という計算結果を出すのはCPUです。

パソコン全体の動きを制御する

グラフィックスボードに指示をして、3D処理や画像処理を行わせてディスプレイに映像を表示したり、プリンターに印刷の指示を出したり、ストレージにデータを保存するような、PCの他の部品に作業指示・管理するのがCPUです。

ゲームにおいてCPUが行う処理

ゲームのなかでCPUは、画像を表示する以外の様々な処理をしています。

  • 敵に弾が当たったかどうかの判定
  • グラフィックスボードが表示した画像を動かす処理
  • フィールドの中で自分のキャラがいる位置の計算
  • 自分と敵・味方キャラとの距離、敵AI(NPC)などの動きの計算
  • その他PC各部品の制御・指示をはじめとする様々な処理

PCゲームにおすすめのCPUの選び方

PCゲームにおすすめのCPUは、一言で言えば高性能なCPUです。

ゲーミングPCは重い処理をするため、CPUは高性能であればあるほど良いです。

しかし、同時にほかの部品とのバランス、とくにグラフィックスボードとのバランスも大切です。

それではどのようなCPUがよいのか、CPU性能の見方を考えるうえで大切なCPUの高速化に使われる技術と、CPUとグラフィックスボードのバランスについて詳しく解説していきます。

CPU高速化の技術

CPUは主にマルチコア・マルチスレッド化と動作周波数(クロック数)の向上という技術によって性能向上を図っています。

CPUコアのマルチコア化

CPUコアとは、CPUの中にある、計算や制御といった処理を実際に行う部分です。

2024年現在のCPUは、1つのCPUのなかに複数のCPUコアを持っている、マルチコアタイプのCPUが主流です。

なぜ1つのCPUのなかに複数のCPUコアを入れるのでしょうか。その理由は、同時に複数のプログラムを処理できるようにして処理速度を向上させることができるからです。

下の図を見てください。

CPUコアが1つの場合、図のように、CPUは1度に1つの処理しかできません。

同時に2つ3つの処理が必要になった場合、処理しているプログラム以外は前のプログラムの処理が終わるのを待っていることになります。

これを改善するのが、CPUのマルチコア化です。

下の図は、マルチコアCPUの一例として2コア(デュアルコア)CPUを示したものです。

2つの処理が同時に来ても、それぞれのCPUコアが分担して処理するので、処理待ちが発生しなくなります。同時に3つ4つ、それ以上の処理が来ても、CPUコア1つで処理するより理論上は2倍のスピードで処理できます。

例えるなら、10個の荷物を1人で1つずつ運ぶより2人で分担して運んだほうが早く終わるのと同じメカニズムです。

このようにCPUコア1つ1つが同時並行でデータ処理をするので、コア数が増えれば増えるほど、一般的に高性能です。

ゲーム向けであれば、6コア以上のものを購入するとよいでしょう。

CPUコアのマルチスレッド化

CPUにはマルチコア化と似た技術で、マルチスレッド化というものがあります。

マルチスレッド化とは、下の図のように、CPUコア1つ1つをプログラム処理の際に分割して使うことによってCPUの処理効率を上げる技術です。

この技術を使ったCPUでは、スレッド数がコア数の倍になることが多いです。

例えば、6コア12スレッドのCPUであれば、1つのCPUのなかに6つのCPUコアがあり、それぞれのCPUコアの中に2つのスレッドがあることになります。

この場合、

1コア当たりのスレッド数2 x CPUコア数6 = 12

がスレッド数となっています。
しかし、第12世代Core iシリーズ以降では、1つのCPUのなかにマルチスレッド化されたCPUコアとされていないCPUコアが混在している場合があり、スレッド数は単純にCPUコア数の倍にならないこともあります。

マルチコア化とマルチスレッド化についてまとめると、以下の通りです。

  • マルチコア化:CPUコアそのものを複数にする技術
  • マルチスレッド化:CPUコアの中をプログラムで2つに分割して使うことで処理効率を上げる技術

動作周波数(動作クロック)

動作周波数(動作クロック)とは、CPUコア1つ当たりの処理速度の速さといえます。

例えば3.0GHzのように、数字+GHzで表記し、この数字が高ければ高いほど一般的にそのCPUは高性能です。

高級なCPUでは、重たい処理を行う際に一時的にクロック数を引き上げて処理能力を上げる、Turbo Boost(もしくはPrecision Boost/XFR2)といった技術を搭載しているものもあります。

一般的には、GHzの数値ができるだけ大きいものを選びましょう。

CPUとグラフィックスボードのバランスを考える

CPUはただ高性能であればいいわけではありません。CPUとグラフィックスボードの性能バランスが大切です。

このことで、お互いのパワーをフルに活用できるようになります。

画面を表示する際、画像の表示処理はグラフィックスボードが行いますが、表示された画像を動かすのはCPUです。

グラフィックスボードが表示した画像が遅れることなく動き、CPUが画像表示処理が終わるまで処理待ちするようなことがないよう、バランスが大切です。

逆に、高性能CPUを使うなら、画像を表示するスピードが追い付くようにグラフィックスボードもより高性能なものが必要になります。

PCゲームにおすすめのCPU5選【徹底比較】

ここでは、管理人がお勧めするCPUを、最高性能を追及する2プラン、価格と性能のバランスが良いプラン、最低ラインのプラン、最低ランクよりさらに下だけれど軽いゲームなら動く激安プランにわけて計7つのCPUを紹介します。

性能追及プラン 性能追及プラン② バランスプラン ライトプレイプラン 軽量ゲーム向け激安プラン
プラン概要 最高のパフォーマンスと最高画質を追求する。ヘビーゲーマー向け。 ヘビーゲーマー向け。実用レベルで最高性能クラスの性能を実現。 ゲームの快適さと価格のランスが取れている。一般ゲーマー向け。 コスパに優れたプラン。ここ数年に発売されたタイトルであればこのクラスが最低ライン。 10年以上前に発売されたゲームや軽量ゲームなどを格安でプレイするプラン。最新のFPSゲームなどは厳しい。
おススメCPU Ryzen 9 9950X Core Ultra 7 265K Ryzen 7 5700X Ryzen 5 4500 Ryzen 5 8600G
最大動作周波数 最大5.7GHz 最大5.5GHz 最大4.6GHz 最大3.6GHz 最大5GHz
コア数 16 20 6 6
スレッド数 32 20 12 12
採用しているBTOPCの価格帯

35万円~ 15~25万前後 13~20万前後
備考 2024年11月現在、ゲーミングPCとしては最高性能クラスのPCに使われるCPU。

完成品PCはほぼないため、自作推奨。

長年この価格帯で使われているロングセラーCPU 2022年発売のCPUながら、格安ゲーミングPCで多く採用されているロングセラー・ハイコストパフォーマンスCPU グラフィックスボードなし。BTOPCで見つけるのは難しく、このランクは自作がおすすめ。

(参考:Intel ArcAMD公式サイト

性能追及プラン①②

①Ryzen 9 9950X

2024年11月末現在で、とことんゲーム性能を追求するなら、このCPUがおすすめ。

組み合わせるグラフィックスボードは、2024年現在最高性能クラスのグラフィックスボードである、GeForce RTX 4090・4080、RADEON RX 7900 XTXがおすすめです。

こういったグラフィックスボードとの組み合わせで、フルHD環境であれば、FF14ベンチでスコア40000近く、4k環境でも20000クラスのスコアが期待できます。

 

②Core Ultra 7 265K

Core iシリーズの後継で、Core iシリーズでいうCore i7の位置づけです。

intel CPUの最新版CPUで、BTOPCではGeForce RTX 4070より上位のグラフィックスボードと相性が良いです。

Ryzen 9 9950X3Dと違いBTOPCが販売されており、35万円前後から手に入ります。

より高性能のBTOPCが欲しければ、上位のCore Ultra 9 285K搭載ゲーミングPCが40万円前後から販売されていますので、そちらがよいでしょう。

バランスプラン

Ryzen 7 5700X

昨年に引き続き、バランスプランのおすすめCPUです。

このランクでは、GeForce RTX 4060Ti/4070/4070Tiなどのグラフィックスボードと組み合わせると、CPUとのバランスがいいでしょう。

バランスが取れるグラフィックスボードと組み合わせ、FF14ベンチで22000オーバー(4k可能レベル)、ApexLegendsのフルHDで240fpsクラスの性能が期待できるランクです。

ライトプレイプラン

Ryzen 5 4500

2024年時点で、最安値帯ゲーミングPCに採用されているCPUです。

GeForce RTX 4060/3050などのグラフィックスボードと組み合わせて使われることが多く、こういったグラフィックスボードであれば、性能を十分引き出す能力があります。

発売から2年が経過したロングセラーのCPUですが、格安ゲーミングPC向けCPUとして人気は高く、様々なBTOメーカーで採用されています。

軽量ゲーム向け激安プラン

Ryzen 5 8600G

ファイナルファンタジー11、ラグナロクオンライン、レッドストーンなどの古いゲームが動くPCを、なるべく安く手に入れるのであればこのクラスです。

最近発売されたゲームを高解像度でバリバリ動かすのは厳しいですが、GeForce GTX 1650クラスの性能を持つ内蔵GPUをもっており、ちょっと古めのゲームを60fpsで割り切ってプレイすることもできます。

フォートナイトで120fpsクラスのフレームレートが出るとの話もあります。(詳細は参考記事)

 

Ryzenの内蔵GPUは優秀で、軽いゲームであれば動かしてしまうパワーがあります。

CPUパワーとGPUパワーの両方を兼ね添えているのは、intel Core i・Core Ultraシリーズにはない特徴です。

このランクでは、Core i3+格安グラフィックスボードを使う方法もありますが、Ryzen8000番台の性能が優秀すぎるため、コストパフォーマンスを考えるとRyzen8000Gシリーズがよいでしょう。

なお、詳しくはQ&Aで書きますが、これより下のランク、例えばPentiumやCeleronなどはゲームにはお勧めできません。

PCゲームのCPUにおけるQ&A

Ryzenはゲームに不向き?

2024年現在、Ryzenがゲームに不向きとは必ずしも言えなくなってきています。

むしろ管理人は、性能を追求するならRyzenのX3Dシリーズを、intelCPUよりも強くお勧めします。

数年前までは、ゲーミングPCのCPUはintel一択といわれてきましたが、Ryzen のX3Dシリーズは非常にゲーム性能が高く、とくにフレームレート重視のゲームでパワーを発揮します。

X3Dシリーズ以外のRyzenも性能が上がってきており、Ryzenがゲームに不向きとは、必ずしも言えなくなってきています。

PCゲームはCPUにどれだけ依存するのか

PCゲームがCPUに依存する要素として大きなものにフレームレート(FPS)があります。

CPUはグラフィックスボードがつくった画像を動かす役割を担っているので、CPUが高性能であればあるほど、より早く画像を動かすことができ、高フレームレートが出やすくなります。

銃弾などの攻撃が敵にあたったかどうかの判定や、ワールドやエリア内でプレイヤーと相手や障害物などとの距離を計算するのもCPUの役割です。

広いエリアを縦横無尽に駆け回るオープンワールド系のゲームでは、この距離計算などが増え、CPUへの依存が大きくなります。

CPUはPCゲームの快適さを大きく変えます。CPU性能が不十分な場合、動きのもたつきやカクカクするようなことが起きます。

敵に攻撃が当たってから当たり判定が出るまでにタイムラグが出たり、キーボードなどから操作しても自分のキャラが反応しないようなこともありえます。

ゲーム内でこういったことが起こった場合は、フレームレートの設定を落としたり画面解像度を落とすなど、CPUに過剰な負荷がかからないような設定変更を行いましょう。

なお、こういった問題は、他の部品の性能によって引き起こされることもあります。

他の部品に足を引っ張られてCPUのパフォーマンスを発揮できなくなる場合です。

有名なのが先ほど述べたCPUとグラフィックスボードのバランスですが、他にも、例えばストレージ(SSD/HDD)・メモリ、さらに言うとマザーボード(パソコンの基盤)などデータ転送速度にも依存します。

BTOPCは元々バランスの取れた構成で作られていますが、自分で構成を変更する場合や自作する場合、中古PCを購入する場合、既存のPCを改造して使用する場合などには、性能バランスを意識することも大切になってきます。

ゲーム用途で使わないほうがいいCPUって具体的にどういうの?

以下のCPUはゲーミングPC向けとは言えず、おすすめできません。

  • Pentiumシリーズ
  • Celeronシリーズ
  • Atomシリーズ
  • Athlonシリーズ
  • 第三世代・第四世代などの旧型CPU(i7など上位モデルもNG)
とくに注意すべきは、Atomシリーズ・Celeronシリーズと旧型CPUです。
AtomシリーズやCeleron NというタイプのCPUは2〜3万円くらいの激安ノートPCによく使われています。

価格の安さにひかれて購入し、ゲームを入れようとする人がいますが、このタイプは本来タブレット向けのCPUで、非常に非力です。上に書いた軽量ゲームを含めほとんどのゲームはプレイできるレベルで動きませんので、気を付けましょう。

また、古いタイプのCore i7やCore i5は、名前だけ見ると最新型と同じように見えるので、要注意です。

こちらの記事で扱った、メルカリのゲーミングPCでも旧型のCore i7/i5が使われているパターンが多いです。

旧型ハイエンドPCは地雷の塊
お金がないけれども、ゲーミングPCをどうしても購入したいがゆえに、Core i7の3000番台や4000番台のような、数字が小さいCore i7やCore i5を搭載したゲーミングPCを購入しようとする方を見かけますが、おすすめできません。

こういったCore iシリーズのCPUは、当時は高性能なCPUですが、いまとなっては非力です。

それ以上に大きな理由が、構造が古いため最新の部品がつかえず、部品交換・追加による性能向上が難しいことです。
例えば、

  • メモリは、現在主流のDDR4・DDR5ではなくDDR3という旧型のため、スピードが遅い。増設用のメモリの入手性が悪く、16GBを超える大容量化も難しい
  • ストレージは、最新のm.2 NVMeと呼ばれるタイプのSSDが使えず、大容量HDDにも未対応
  • グラフィックスボードを接続するPCI-Expressというコネクタの規格が古く、最新のグラフィックスボードのパワーを引き出すことが難しい
  • 構造が古くWindows11が使えないため、Windows10のサポート終了までしかつかえないPCであること
こういった旧型ハイエンドPCはメルカリなどのフリマで販売されているゲーミングPCに多く見受けられ、格安であるためか、購入を検討する人があとを絶ちません。

ゲーミングPCは一旦買ったら数年は使用するのが一般的です。

旧型ゲーミングPCは、もともと性能が低いうえ、改造も厳しく、年々水準が上がるゲームの要求スペックに耐えられるとはとても思えません。

仮に、自分がプレイするゲームが軽く、そういったゲーミングPCでも十分動作するとしても、将来性のなさに変わりはないのです。

たとえ値段が倍になっても、新品のゲーミングPCを購入することを強くお勧めします。

まとめ:最新PCゲームでおすすめのCPUは最低Core i5

  • ゲーミングPCにお勧めのCPUはintel Core iシリーズ
  • 最近発売されたゲームタイトルをプレイする上で最低ラインは、最新版の intel Core i5シリーズ
  • CPU単体の性能だけでなく、他の部品、とくにグラフィックスボードとの性能バランスが大切

 

参考記事

フォートナイトをフルHD・120fps超えで動かせるGPU内蔵CPU「Ryzen 8000G」シリーズの海外レビューまとめ(Gigazine)