ゲーミングpcと普通のpcの違いとは|購入する前に知っておきたいTips
ゲーミングPCのサイトを運営していて、「ゲーミングPCと普通のPCの違いが判らない」という質問を受けました。
基本的に、ゲーミングPCは「処理が重たいゲームを快適に動かすことができる高性能なPC」ですが、普通のPCとの違いをもっと知りたいとのことでしたので、ゲーミングPCが普通のPCと具体的にどう違うのか、記事にまとめました。
その違いと合わせて、ゲーミングPCの特徴・メリット・デメリットや、ゲーミングPCを購入するのがおすすめの人のタイプ・おすすめできない人のタイプの紹介もしています。
ゲーミングPCと普通のPCの違いを知りたい人も、その違いを踏まえてゲーミングPCを購入するかどうか検討したい人にも、参考にしていただければと思います。
目次
ゲーミングPCと普通のPCの違い
ゲーミングPCと普通のPCの違いは、以下の通りです。
グラフィックスカードの有無
ゲーミングPCと普通のPCの一番大きな違いは、グラフィックカードの有無です。
ゲーミングPCには、高画質のグラフィックスデータを高速処理するため専用部品として、グラフィックスカードが搭載されています。
普通のPCでは、グラフィックスカードを必要とするような画像処理がほとんどないので、グラフィックスカードを搭載していない場合がほとんどです。
(したがって、一般的にグラボなしのPCと言うときは、ゲーミングPCではない普通のPCのことをさします)
ゲーミングPCはCPU性能が高め
ゲーミングPCはCPU性能も高めです。
キャラや敵キャラ・障害物や背景との距離を計算する処理はグラフィックスカードではなくCPUが担っていますが、MMORPGやオープンワールド系のゲームではその処理が増え、重たくなるため、CPUの重要性も増します。
また、一般的に高性能なグラフィックスカードになればなるほど、高性能なCPUが必要になります。
もし、CPUのグラフィックカードの性能バランスが取れなくなると、どちらかがもう一方の足を引っ張る、ボトルネック状態になります。
このバランスは、グラフィックカードのパワーをフルに引き出すのに大切です。
メモリ容量が大きい傾向がある
一般的にゲームは処理するデータが多い分、メモリに置くデータ量も多いです。
そのため、ゲーミングPCのメモリ容量は大きめです。
2024年現在、メモリ16GBのPCが主流ですが、32GBのメモリを搭載したものもあります。
冷却性能が高い
ゲーミングPCは高性能な部品を使っていますが、そのような高性能部品は高発熱なものが多いです。
ゲーミングPCは発熱が多いので、その熱を冷やすための冷却性能が高めです。
値段が高め
ゲーミングPCは高性能な部品を使っているので、価格は高めです。
特にゲーミングPCの特徴でもあるグラフィックカードは、それ単体で数万円〜10万円を超えるものもあり、それを搭載したゲーミングPC本体の値段も高めです。
BTOタイプが多く、カスタマイズしやすい
ゲーミングPCはBTOと呼ばれる方式で販売されているものが多いです。
BTOとは、受注生産のことですが、セミオーダーメイドでの購入ができます。
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックカードを自分好みにカスタマイズできるBTOPCが主流です。
そのため、自分の欲しい性能のゲーミングPCが購入できるメリットがあります。
普通のPCでもBTOモデルはありますが、あまり普及していません。
ゲーミングPCのメリット
ゲーム機よりも高画質
ゲーミングPCの醍醐味は、なによりその画質の高さでしょう。
高性能ゲーミングPCならではの高画質プレイは、ゲームにより没入するでしょう。
ゲーム機よりも高フレームレート
アクション系・バトルロイヤル系などのいわゆるfpsゲーをプレイするユーザーにとって、ゲーミングPC最大のメリットは高いフレームレートを叩き出せることでしょう。
最新型ゲーム機のPS5でも最大フレームレートは120fpsですが、高性能なゲーミングPCには、その倍の240fpsを出すことができるものもあります。
MODなどによるゲームそのもののカスタマイズ
MODとは、一言で言うとゲームを改造するプログラムです。
ゲーミングPCではMDOを導入することができるので、より高画質でリアリティあふれるプレイができるようになったりします。
なかには、全然関係ないグラフィックに差し替えるような遊び心満載のものもあり、ゲームをより楽しむためのプログラムを追加できるのもゲーミングPCの醍醐味でしょう。
同人ゲームなどのマイナーなゲームもプレイできる
PCのゲームには多種多彩なものがあります。
マイナーなメーカーが作っているゲーム、ゲーム機でのサポートは終了してPC版のみで運営しているゲーム、趣味で作った同人ゲームなどがその一例です。
ゲーム機ではプレイできないマイナーなゲームをプレイしたり、面白いゲームを発掘するような、そんな楽しみもゲーミングPCならではです。
ゲーミングPCのデメリット
このように、ゲーミングPCには様々なメリットがあります。一方、高画質・高性能・カスタマイズ性の高さゆえの、デメリットもあります。
①価格が高い、②電気代がかかる、③設定できる項目が多すぎてややこしい、といったものがあげられます。
価格が高い
ゲーミングPC最大のデメリットは、その価格の高さでしょう。
一番安いクラスのゲーミングPCでも、10万円くらいします。
ゲーム機であれば、特に高価なPS5でも5〜6万円ほど。ゲーミングPCはその倍以上の値段がするといえます。
また、10万円前後のゲーミングPCは性能がそれほど高くなく、ゲーミングPCの最大のメリットである「高画質」「高フレームレート」を目指すのであれば、15万~20万円程度のゲーミングPCが最低ラインともいえます。
ゲームしかできないゲーム機とは違ってオフィスソフトや動画編集といった様々なことができるので、単純にゲーム機とは比較できませんが、高価な買い物であることには変わりないでしょう。
電気代がかかる
ゲーミングPCは高性能ですが、その性能を引き出すために大量の電気を消費します。
月に数日プレイする程度であれば大きな違いはないかもしれませんが、たとえば、毎日学校や職場から帰宅してから寝るまでずっと、休日は一日中つけっぱし、ともなると、一か月の電気代が目に見えて増えてきます。
PC部品の中でもゲーミングPCに搭載されているグラフィックスカードは消費電力が大きく、高性能型(ハイエンド)のGeForce RTX 4090は最大で450Wもの電気を消費します。
他にも、ゲーミングPCにつかわれるCPUでは、100Wを超える電力を消費するものがあります。
プレイ一回ごとで考えるとそんなに差がなくても、日々の積み重ねによって、またつけっぱなしにするなどによって、月の電気代がじわじわと上がるかもしれません。
参考:GeForce RTX 4090(NVIDIA公式サイト)
設定できる項目が多すぎてややこしい
ゲーミングPCは設定できる項目が多く、自分好みにカスタマイズできるのが魅力ですが、逆になんでもできすぎて、どうすればいいかわからない、という話を聞くこともあります。
とくに初心者は、細かい設定を自己流でやった結果、プレイしにくい設定になったうえに戻し方がわからない、といったことに陥ることもあるようです。
基本的に、ゲームそのものの設定だけ設定するのであればゲーム機と同じで初心者でも簡単なのですが、グラフィックスカードの設定(NVIDIAコントロールパネル)や垂直同期を切る、といったような、Windows側の細かい設定を行うのは、比較的ややこしくハードルが高めです。
なお、初心者がこういった項目の設定を行う際は、他の人が行った設定をマネするようにしましょう。
注意するべきは、SNSなどにあるような特殊な設定をマネするのではなくて、「初心者向け」としてSNSやサイトで公開されている設定をマネすることをお勧めします。
特殊な設定として紹介されているものは、ゲームやPCに詳しい人向けにチューンアップされた設定であることが多く、初心者にはかえってやりづらくなることがよくあります。
なお、このサイトでも、こちらの記事で初心者の方でもできる垂直同期の設定方法について掲載しています。
参考にしてください。
ゲーミングPCを買うべきタイプの人
それでは、こういったゲーミングPCの特徴・メリット・デメリットを踏まえたうえで、ゲーミングPCを買うべきタイプの人はどのような人でしょう。
たとえば、①とにかくゲームで勝ちたい人、②高画質でゲームをプレイしたい人、③ゲーム以外にPCの利用目的がある人、などがあげられます。
とにかくゲームで勝ちたい人
対戦型のバトルロイヤルゲーム・アクションゲームなどいわゆるfpsゲーでは、フレームレートの高さが勝率に直結するといわれるほど、高フレームレートがゲームプレイ環境で重要な要素です。
高フレームレートを追求するなら、ハイスペックゲーミングPCでのプレイがおすすめといえるでしょう。
PS5では最大120fpsで、このあたりがゲーム機の最大フレームレートとなりますが、ゲーミングPCなら、その性能とゲームの重さ次第ではその倍の240fpsを叩きだすこともできるのです。
とにかくゲームに勝ちたいのであれば、ハイスペックゲーミングPC一択です。
高フレームレートはハイスペックゲーミングPCの特権であり、それを味わいたいのであれば、ハイスペックゲーミングPCを購入しましょう。
高画質でゲームをプレイしたい人
高画質でのプレイもゲーミングPCの醍醐味です。
PS5など一部のゲーム機は4kに対応していますが、ゲーミングPCであればより多くのゲームで4kプレイが可能です。
また、ハイスペックゲーミングPCであれば、4kかつ高フレームレートな環境も実現可能です。
高画質の没入感と、高フレームレートのヌルヌル環境を同時実現できるのも、ゲーミングPCの醍醐味です。
こういった部分にこだわりたい人はゲーミングPCを選ぶとよいでしょう。
ゲーム以外にPCの利用目的がある人
ゲーミングPCはゲーム以外の用途にも利用可能です。
オフィスソフトで仕事やレポートの作成、動画編集ソフトを使って実況配信や動画編集など、ゲーム機ではできない普段使いでの用途があるのでしたら、ゲーミングPCは大活躍するでしょう。
ゲーミングPCはハイスペックなPCですので、仕事などにつかっても、とても快適です。
PC限定タイトルをプレイしたい人
ゲーム機では発売されていないPC独占タイトル、同人ゲーム、マイナーなゲームなどをプレイしたい人は、必然的に選択肢がゲーミングPCになります。
ただ、こういったゲームは必要なスペックが低く、グラボなしの普通のPCやノートPCでプレイできることも少なくありません。
もし、既に普通のPCを持っているのであれば、やりたいゲームが自分のPCでプレイ可能かどうかあらかじめ確認することをお勧めします。
自分のPCでプレイできないようであればゲーミングPCを検討するのが良いでしょう。
ゲーミングPCよりゲーム機を買うべきタイプの人
一方、ゲーミングPCよりゲーム機を買うべきなのはどのようなタイプの人でしょうか。
①お金がないけれどゲームをしたい人、②ゲーム以外にPCの利用目的がない人、③なんとなくゲームがしたいだけの人、などはゲーム機のほうがよいでしょう。
お金はないけれどゲームをしたい人
ゲーミングPCは高価です。一方、ゲーム機はリーズナブルです。
ゲーム機の中で最も価格が高いクラスのPS5でも、最安値帯のゲーミングPCの半額程度です。
ゲーミングPCは、コストパフォーマンスではゲーム機にかないません。
お金がなかったり、リーズナブルにゲームを楽しみたいのであれば、ゲーム機がおすすめです。
ゲーム以外にPCの利用目的がない人
ゲーム以外にゲーミングPCの利用目的がない、つまり普段使いの予定がない人も注意が必要です。
「このゲームをどうしてもハイクオリティな環境でプレイしたい!」という強い思いがあれば別ですが、そうでなければ、何十万ものお金をゲームだけにかけるのがよいかどうか、もう一度考えたほうが良いかもしれません。
もちろん、それでもゲーミングPCを購入するのは一つの選択肢です。
ただ、もしそのゲームが思ったより面白くなくてすぐやめてしまったとき、何十万円もかけてかったゲーミングPCの使い道がなくなってしまうことを考えると、いきなりゲーミングPCを買うのがベストかどうか、よく考えてから決めたほうがよいでしょう。
なんとなくゲームがしたいだけの人
「このゲームを極めたい!」という気持ちがあり、どうしてもゲーミングPCでプレイしたいという明確な気持ちがあれば、ゲーミングPCを購入するのが良いと思います。
しかし、ゲーミングPCは高い買い物です。
ただ「ゲーミングPCを買って何かゲームやってみようかな」と、なんとなく購入するのはあまりおすすめできません。
こういうタイプの人は、ゲーミングPCを購入しても飽きて続かなくなることが多いからです。
何十万円もの高い買い物で、買ってすぐ使わなくなる可能性があるのでしたら、まずはゲーム機を購入してみるのが良いでしょう。
ゲーム機を購入していろいろなゲームをプレイし、本当にやりたいと思うゲームができたとき、はじめてゲーミングPCを購入するのがおすすめです。
まとめ:ゲーミングPCと普通のPCの違いは様々
- ゲーミングPCと普通のPCの最大の違いは、グラフィックスカードの有無。他にも様々な部分で高性能・大容量の厳選した部品が使われている。
- ゲーミングPCは高性能で自由度も高いが、ゲーム機より高い。また、設定できる項目が多すぎて初心者は戸惑うこともある。
- PCを普段使いすることがあったり、とにかくゲームのハイクオリティを追求したい人にはゲーミングPCの購入がおすすめ。一方、ライトプレイが目的だったり、PCのゲーム以外での利用目的がないのならば、ゲーム機を選択するのも手。