ゲーミングPCにHDDは必要?SSDとHDDの使い分けも徹底解説
最近のゲーミングPCでは、多くの機種でSSDが搭載されています。一方で、以前よりは減りましたが、HDDだけが搭載されているゲーミングPCもまだあります。
また、SSDとHDDの両方を搭載したゲーミングPCも最近増えてきています。
この記事では、ゲーミングPCにおけるHDDの必要性について、HDDのメリットデメリットを見ながら解説しています。
HDDは、今となっては古いタイプのストレージですが、SSDにはないメリットもあります。
そのメリットを活かした、SSDとHDDのお勧めの使い分け方も紹介していますので、参考にしてください。
目次
ゲーミングPCにHDDは必須ではないがあると便利
まず結論ですが、2024年時点でゲーミングPCにHDDは必ずしも必要ではありません。
むしろ、ゲーミングPCのストレージとしては基本的にはSSDが向いてます。
SSDの欠点を補う形でHDDを使う使い方がおすすめです。
SSDを搭載しているゲーミングPCの2台目以降のストレージとしては、SSDよりもむしろHDDが有効な場合もあるといえるでしょう。
HDDだけじゃダメ…その理由
同時に、ストレージがHDDだけのゲーミングPCは、おすすめできません。
ゲーミングPCのストレージをHDDだけにするのがお勧めできない理由は、HDDの速度がSSDと比べて非常に遅いからです。
具体的に起こりうるデメリットは、次の3点です。
- Windowsの起動が遅くなる
- ゲームのロード時間が長くなる
- ゲーム中に動きがカクつく
HDDは、SSDより読み込み速度が非常に遅いので、Windows起動時にデータを大量に読み込む際、SSDよりはるかに時間がかかり、操作が可能になるまで時間がかかります。
SSDだと10数秒で完了する起動も、HDDだけのPCだと1分2分かかることもザラです。
HDDのスピードの遅さは、ゲームプレイ中にも影響が出ます。
エリアとエリアを移動した際のロード時間はSSDより長くかかるでしょう。
また、ゲームプレイ中に同時に、WindowsUpdateなどが起動していたりすると、HDDの読み込み速度が追いつかず、ゲームプレイ中に操作がカクカクすることがあります。
CPUやグラフィックカードに余裕があっても、HDDのスピードの遅さがボトルネックになってしまうのです。
SSDではあまり考えられないパターンです。
このように、HDDだけのゲーミングPCは、HDDの遅さによる問題が非常に大きくなります。
HDDの遅さにより、Windowsの起動は遅くなり、ゲーム中のロード時間は長くなり、ゲーム中にカクカクする可能性も高くなるのです。
ですので、ゲーミングPCはHDDだけ搭載したものではなく、SSDを搭載したものがよいでしょう。
HDDのメリット
ここまで、ゲーミングPCはSSDを搭載しているものがおすすめという話をしましたが、SSDを搭載している前提で、加えて、HDDを積んでいる場合は、そのメリットが活かせる場合もあります。
HDDのメリット、デメリットを見ながら、HDDを活かせるパターンを紹介していきましょう。
まずは、HDDのメリット・デメリットを見ていきます。
価格が安く大容量
HDDは、SSDと比べ、価格が安く大容量のものが多いです。
2024年現在、2TBのHDDは8000円ほどで手に入ります。一方、2TBのSSDは、概ね15,000円から20,000円以上しますので、ざっと半分以下の値段です。
例えば、ゲームの実況配信や動画編集などをする場合に、大容量のストレージを必要とするのであれば、HDDは有力な選択肢となります。
故障したときにデータを抜き取れる可能性が高い
これはどちらかと言うとおまけ的なメリットですが、故障したときに、ストレージの中のデータを復元して取り出すことができる可能性が高いのは、SSDよりHDDです。
SSDの場合は、故障した場合、中のデータを取り出す事はほぼ絶望的です。
HDDは、専門の業者が対応すれば、またパソコンの知識のある人が試せば、データを抜き取ることができる場合もあります。
HDDのデメリット
一方、HDDのデメリットは、先ほども書いたように遅いことと、SSDよりもうるさいこと、振動に弱いこと、SSDよりは寿命が短いことが挙げられます。
遅い
HDDはスピードが遅いです。
そのため、先ほども書いたようにWindowsの起動が遅くなったり、ゲームのロード時間が長くなったり、ゲームはカクついたりすることがあります。
SSDよりうるさい
HDDは、駆動部分があるので、多少ながら音を発します。
それほど大きな音ではありませんが、無音のSSDと比べると多少ながらうるさいです。
振動に弱い
HDDは振動に弱いです。
駆動部分があるため、振動で動きがブレたり、部品の位置がずれて引っかかったりして故障することがあります。
SSDは駆動部分がないので基本的にこのような事はありません。
SSDより寿命が短い傾向
あくまで仕様上での話ですが、一般的にHDDは、SSDよりも寿命が短い傾向があります。
先ほど書いたように、いざ故障した場合にはHDDの方がデータを復元しやすいですが、寿命そのものは、SSDの方が長いとされています。
ただし、仕様上の寿命と実際に使ったときの寿命は全く違うということは強調しておきます。
一般的な目安として、HDDは約3年、SSDは5年以上の寿命を持つと言われています。
しかし実際には、5年6年もつHDDもあれば、半年1年で壊れてしまうSSDもあります。
ストレージは消耗品ですので、使い方によって、また個体差によって、実際の寿命は変わって来ます。
あくまで1つの目安として知っておきましょう。
ゲーミングPCにおけるHDDの使い方
では、このような特徴を持つHDDを、SSDとどのように使い分ければいいでしょうか。
ゲーミングPCに置いて、HDDに入れた方が良いものと、SSDに入れた方が良いものの一例を紹介します。
HDDに入れたほうが良いもの
HDD入れた方が良いものは、1つのマップで完結するゲームなどです。
プレイ中にロード時間がないので、ロード時間がゲームのプレイに与える影響がそれほど大きくありません。
具体的には、ApexLegends、League Of Legends、などのゲームが当てはまります。
また、あまり見ない動画や動画編集中のデータ、普段使わないデータやMODのバックアップデータなどもHDDに入れておいた方が良いでしょう。
普段使わない大容量データや、スピードをそれほど必要としない大容量データの保存場所としては、HDDはとても役に立ちます。
SSDに入れたほうが良いもの
逆に、SSDに入れた方が良いタイプのものは、MMORPGやオープンワールドタイプのゲームなどです。
HDDだとストレスになるMMORPGのロード時間の長さも、SSDであればかなり解消されます。
また、オープンワールド系のゲームは、リアルタイムでエリアデータ等を読み込んでいくため、SSDの方がカクカクしにくいです。
こういったゲームは、SSDに入れた方が良いでしょう。
また、それ以外のWindowsや普通のアプリケーションなど、容量がそれほど大きくなくて、動きが早い方が良いものは、基本的にSSDに入れるのがお勧めです。
まとめ:HDDは2台目以降のストレージに
- ゲーミングPCにHDDは必ずしも必要ないし、むしろSSDがおすすめ
- SSDを搭載したゲーミングPCの2台目以降のストレージとして、大容量が求められる場合はHDDが有効
- SSDにはMMORPGやオープンワールド系ゲームを、HDDにはロード時間の長さがあまりプレイに影響しないゲームや普段使わない動画・バックアップデータなどを置いておくのが良い
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