グラボの中古が危険といわれる本当のワケ|目に見えない○○に潜む罠

中古グラボは、うまく動かなかったりすぐ故障する可能性が高いといわれています。
「中古グラボは危険だからやめとけ」とまで言われるほどです。
でも、新品で数万〜数十万円もするグラフィックスボードが格安で手に入るとなると、気になりますよね。
この記事では、中古グラボは危険という理由もふくめたデメリットと、それでも中古グラボを選ぶメリット、中古グラボを選ぶ際の注意点について、筆者の体験を交えながら解説していきます。
中古グラボの購入を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
中古グラボのデメリット
中古グラボが危険だからやめとけといわれる理由は、以下の3点です
- 不具合品が混ざっている可能性がある
- 壊れやすい
- 価格の割に性能が低め
それぞれ詳しく解説していきます。
不具合品が混ざっている可能性がある
中古パーツ全般に言えることではありますが、中古グラフィックスボードは、不具合のあるものが売られていることもあります。
買取時のチェックでは時間をかけたチェックができないため、ショップが不具合を見落としてしまうことがあり、そういったものが店頭に並んでしまう可能性があるのです。
購入後重いゲームをプレイしてみたら動作が不安定で、原因を調べたら購入した中古グラフィックスボードの不具合が原因だった、ということもあります。
もし不具合に気づくのが遅れれば、ショップの保証期間は切れていて返品不可ということにもなりかねません。
中古グラフィックスボードは不具合があるものを買ってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
壊れやすい
中古部品は前オーナーが使用した後のものですので、それなりに劣化しています。
特に中古グラボは、ひどく劣化しているものを引いてしまう可能性が大きいです。
理由としては、グラフィックボードはPCパーツの中でも特に酷使されることが多い部品だからです。
マイニングや重いゲームを長時間プレイするような用途では、高負荷と高発熱に長時間さらされて、ひどく劣化してしまいます。そして
こういったグラボは、一般的に壊れやすい傾向があります。
しかし、そのグラフィックスボードの劣化具合は、ユーザーはおろかショップのプロ店員にも、わかりません。
見た目でも、短時間の動作チェックでも、見抜くのが難しいからです。
寿命寸前のグラフィックスボードは、今は壊れていなくても、購入後少しつかっただけで故障してしまうこともあり得るのに、そういったグラボを購入してしまう可能性がある。
中古グラボを購入するならば、ひどく劣化した、壊れる寸前のものをひいてしまう覚悟をする必要があるでしょう。
価格の割に性能が低め
グラフィックスボードは、PCパーツの中でも進化が早いパーツです。
最新世代のグラフィックスボードが、同クラスの性能を持つ1世代前のグラフィックスボードより新品で数万円安いことも普通にあるのです。
中古グラフィックボードの値段に1、2万円足すだけで、その数倍の性能を持つ新品グラフィックボードが購入できることも。
中古グラフィックボードは、値段自体は安いけれども、費用に見合う性能かというと、微妙といえます。
このように、中古グラボには様々なデメリットがあります。
ただし、デメリットだけではありません。
中古グラボのメリットを見ていきましょう。
中古グラボのメリット
中古グラボのメリットには次のようなものがあります
- 価格が安い
- 新品より格安で高性能なものもある
- 古いゲームなら十分プレイできるものもある
価格が安い
中古グラフィックボードは、新品のグラフィックスボードより格安で販売されています。
ゲーミングPCに使用されるようなグラフィックスボードは、新品だと4万円以上するのがほとんどですが、中古では安ければ1万円前後から購入できるものもあります。
例えば、今も現役で使えるレベルの性能があるGeForce GTX 1660SUPERは、記事執筆時点(2025年3月)では1万円台前半から販売されています。
性能の割には割高ですが、販売価格の安さは、中古グラフィックスボードの魅力のうちの一つといえるでしょう。
新品より格安で高性能なこともある
中古グラフィックスボードは、ときには新品グラフィックボードより高性能で格安なこともあります。
記事執筆時点で(2025年3月)では、GeForce RTX 3050が新品で一番安いランクのグラボですが、同じ価格帯で、中古ではワンランク上のGeForce RTX 3060が購入できます。
中古で購入することで、同じ予算でワンランク上の性能を手に入れられる場合もあるのです。
古いゲームなら十分プレイできるものもある
古いゲームは、最新のグラフィックスボードの性能を持て余してしまうこともあります。
いま人気があるApex Legendsやフォートナイトも比較的古めのゲームですので、高画質高フレームレート環境にこだわらなければ、中古グラボでも十分対応できます。
たとえば、中古1万円台前半から販売されている(2025年3月現在、筆者調べ)GeForce GTX 1660SUPERクラスのグラフィックスボードを使っても、画質にこだわらなければ、Apex Legendsで144fpsクラスのフレームレートを出すことが可能です。
また、これより軽いVALORANTであれば、200fpsを超えるフレームレートも出せることがあります。
画質にこだわらなければ、中古グラボでも、ゲーム次第では高フレームレートが狙えるのです。
中古グラボを購入するときの注意点
このように、中古グラボにはメリット・デメリットがあります。
そういった中古グラボを購入する際に注意すべき点がありますので、まとめました。
- 壊れやすいことを覚悟しておく
- 購入する目的を明確にする
- 購入直後に高負荷テストを行う
壊れやすいことを覚悟しておく
デメリットでも触れたように、中古グラボは劣化していて一般的に新品より壊れやすいです。
新品より早く壊れる可能性は大きいですし、不具合品をつかむ可能性もあります。
中古グラボを購入するときは、故障や不具合品を引いてしまうことを覚悟しておく必要があります。
購入する目的を明確にする
自分がやりたいことをやるのに十分な性能があるなら、中古グラボも選択肢に上がります。
グラボを購入する際には、購入前に目的をはっきりしておきましょう。
- どんなゲームや用途につかうのか
- その用途に十分な性能か
- 他のゲームや用途には使う予定はないか
そのことが中古グラボでできるなら、検討するのもよいでしょう。
購入直後に高負荷テストを行う
中古グラボは、故障寸前のものやひどく劣化したものが混ざっています。
購入したグラボが長時間安定して使えるものかどうか、購入直後の保証期間内に確認しておきましょう。
高負荷で長時間動かしてエラーがないか、確認します。
いろいろな方法がありますが、重いベンチマークテストを一晩まわすのも一つの手です。
FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkなど、グラフィックボードに高い負荷が継続してかかるベンチマークソフトがよいです。
もし、このとき動作が不安定になったり、強制シャットダウン・フリーズ・画面の乱れなどがあったら、必要に応じて購入店舗に相談しましょう。
筆者の中古グラボ購入体験記
筆者も実際に中古グラボを購入した経験がありますので、その実例を紹介します。
問題なく動いたものから、使用中に不具合が出て返品したものまで3つ、紹介します。
GeForce GTX 1060
カード本体のみ、付属品なしのものを購入。
購入時からファンのシールは剥がされていました。
シールが剥がされているグラフィックスボードは、マイニングで使用された可能性が高いという話も聞いたこともありますが、購入後数ヶ月たっても不具合らしき不具合はありません。
購入直後に、FF14ベンチを最高画質で一晩回しましたが、エラーは出ませんでした。
他の中古1060グラフィックボードよりも割安で購入でき、筆者としてはこれで満足しています。
実際にこのグラフィックボードがどれぐらい劣化しているのかは分かりませんが、いまのところ壊れそうな様子は全くないです。
GeForce RTX 2060
購入後の使用中に不具合が見つかったパターンです。
購入し、高負荷テストでもスムーズに動いていました。
しかし、連続高負荷状態で使ってたときに突然画面がノイズだらけになり、PCも動作不安定になったのです。
その後は何度再起動しても、解像度が調整できない、画面がノイズだらけという状態が続いたので、ショップに連絡し返金となりました。
今回は幸運にも保証期間内でしたが、気づくのが数日遅れたら、数万円のお金を無駄にしていたところでした。。
RADEON RX 6500XT
中古ですが箱入りで、マニュアルもついていました。
当時まだ出回っていた新品より1万円ほど安く購入できました。
購入当初に時々プチフリが出ることがありましたが、旧型モニターとの相性が悪かったことが原因だったようで、新品のゲーミングモニターに変えてからは問題なく使えています。
新品のRADEON RX 6400と同じ位の値段でワンランク上の6500XTが購入でき、お得感を感じながら使っています。
まとめ:中古グラボはメリットデメリットを知って賢く買おう
- 中古グラボのデメリットは壊れやすいこと・不具合品が混ざっている可能性があること・価格のわりに性能が低いこと
- 中古グラボのメリットは格安なこと・新品より格安高性能なものもあること・古いゲームなら十分プレイできるものもあること
- 中古グラボを買うなら、壊れやすいことを覚悟すること・自分の用途に合っているか確認すること・購入後に壊れていないかテストすることが大切
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