グラボの中古が危険といわれる本当のワケ|目に見えない○○に潜む罠

中古グラボはリスクがあります。自作初心者の購入はおすすめできません。

中古グラボのリスクについてはいろいろな話がありますが、素人の購入は本当に危険です。

買ったけれど動きが不安定で使いものにならなかったり、画面が表示されなかったり、、、

購入した中古グラボがそのままゴミになってしまうこともあるのです。

中古グラボはなぜ危険なのでしょうか。

理由は、中古グラボの程度を見た目から判断するのが非常に難しいことです。

見た目は新品同様でも、中身は故障寸前のボロボロだったりすることがよくあります。

この「目に見えない劣化」がある以上、実際に自分のPCに挿して動かし、動作確認をしてからの購入ができない中古グラボの購入は控えるべきでしょう。

この記事では、中古グラボを購入するリスクである「見えない劣化」とはどういったものか、なぜそれを見抜くことができないのか、といったことについて解説しています。

中古グラボは、まともに動かないものを引いても自己責任と割り切れる、コア自作PCユーザーが購入するものです。

この記事を読んで、中古グラボのリスクと危険性を理解していただけると嬉しいです。

グラボの中古が危険な理由は「見えない劣化」にあった

グラボの中古が危険な本当の理由は、見えない劣化の進み具合が見た目から判断できないからです。

グラボなどPCパーツは使い続けるとだんだん劣化していきます。

劣化が進むと、起動中に画面がフリーズしたり、ゲームをプレイ中に突然落ちたり、PCがブルースクリーンになったり強制再起動がかかったりする原因にもなります。

しかし、見た目から劣化の度合いを判断するのは非常に難しいのです。

例えていうなら、綺麗に塗装し直された中古車の劣化度合いを外見だけから判断するようなものです。

走行距離もわからない状態で、きれいに塗装しなおした中古車の程度を判断するのは難しいでしょう。

中古グラボも同じです。見えない劣化に見た目で気づくのは至難の業です。

部品の劣化は使用時間と環境次第

その「見えない劣化」の度合いを判断するにはどうすればいいのでしょう。

「見えない劣化」の度合いを判断する一つの指標となるのは、使用時間と使用環境です。

「使用時間」とは、購入してからの期間ではなく、そのグラボを組み込んだPCの実稼働時間です。

半年間・毎日使っていたPCと、1年間・月に二、三回使っていたPCなら、半年間使っていたPCのほうが劣化が進んでいるでしょう。

2つめの「使用環境」とは、実際にそのグラフィックスボードが使われていた環境です。

使用用途・使用されていたPCの熱のこもり具合、などの要素できまります。

ほとんどオフィスソフトでしか使ってなかったPCのグラボと、重いゲームを回し続けたゲーミングPCのグラボと、熱がこもるマイニングPCに搭載されて酷使されたグラボでは、劣化具合は全然違います。

この使用時間と使用環境が「見えない劣化」の度合いを決めます。
しかし、そのグラボがどのような環境でどのくらいの時間使われていたかは、購入者が知ることはできません。

「半年前に購入した」と書かれているグラボでも、使い方・使用時間(頻度)次第で程度の度合いはまるっきしかわります。

前オーナーの使用頻度・使用環境がわからない以上、中古グラボの購入はギャンブルのようなものなのです。

見えない劣化を購入前に見定めるのは実質上ムリ

では、見えない劣化を見定めて購入する方法はあるのでしょうか。

結論から言うと、見えない劣化を購入前に見定めるのは非常に厳しいといえます。

中古グラボの主な購入ルートである、フリマなどの個人売買と、中古ショップでの購入に分けてその実情を見ていきましょう。

メルカリ・ヤフオクなどの個人売買は絶対におすすめできない

中古グラボのなかでも、特にリスクが大きいのがメルカリやヤフオクなどの個人売買です。

個人売買は相手の顔が見えず、取引相手が信頼のおける人かわかりません。

  • 新品同様の美品と書かれていたけど、実際にはマイニングの劣悪環境で酷使されたような、相当に劣化していたグラボだった
  • 購入後二、三回しか使っていないと書いてあったけれども、実際には、ゲームで酷使されたと思われる、故障寸前の動作不安定グラボだった

こんな話はよく聞きます。

そして、個人売買では商品が到着するまでその商品を見ることすらできません。

出品者を信じるしかない個人売買で、出品者が信頼のおける相手かわからない。

完全にギャンブルです。

フリマを故障寸前パーツの処分先のように使う悪徳利用者がいるとも聞きます。

個人売買での中古グラボの購入は絶対にお勧めできません。

中古パーツ店のプロ店員にも見えない劣化はわからない

秋葉原などに店を構える中古パーツショップの場合はどうでしょう。

実は、中古パーツ店のプロ店員にも、お店に並んでいるグラボの見えない劣化度合いはわからないのです。

なぜなら、グラボ一つ一つを長時間かけて動作検証できないからです。

中古パーツショップで買取査定の際、パーツ一つにかける査定時間はわずかです。

そこで、明らかに起動しなかったり明らかな改造の痕があったりすれば、それは不具合品として見抜くことができるでしょう。

しかし、そのわずかな時間で、動作不安定の原因となる見えない劣化を見抜くのは、プロの店員でもなかなかできません。

また個人売買と違って購入前に現物を見ることができますが、中古パーツショップのプロ店員でも見抜けない劣化を、素人が見抜くのは至難の業です。

結局、個人売買と同様に、顔の見えない前のオーナーを信じるしかないのです。

どうしても中古グラボが欲しいなら、購入直後に長時間の動作検証を

しかし、グラボに限らず、中古パーツの割安感は魅力的です。

どうしても中古グラボを購入するのであれば、購入するときの注意点は以下の通りです。

  • 保証期間ができるだけ長い中古ショップを選ぶ
  • 購入したらすぐ、必ず、長時間(数時間連続)の動作テストを行う
  • どんなに安くても、どんなに魅力的でも、フリマなど個人売買では購入せず、店舗を構えている中古ショップで買う

保証期間は中古パーツ購入にとって非常に大切です。

保証期間が、自分の購入したパーツが正常に使えることを確認できる貴重な期間だからです。

購入後に動作検証を行って、もし不具合品だったら初期不良期間中に返品に行けるかどうかを、よく確認しましょう。

多くのお店は、初期不良1週間のみの保障となっています。

保証期間内にそれだけの時間があるかどうか、自分の予定もみながら判断しましょう。

1週間ほどの期間に仕事・学校・プライベートなどと並行して長時間のストレスチェックをするのは大変ですが、とても重要な作業です。

保証期間が長ければ、それだけ動作チェックの期限に余裕が出るので、保証期間が長い中古ショップを優先して検討しましょう。

 

動作検証は、高負荷状態で数時間は動かすべきです。

たとえば高負荷状態を維持できるベンチマークソフトを回したり、動作が重いMMORPGのなかで、特に動作が重いエリアに放置するのも一つの方法です。

ベンチマークソフトで有名なものにはFFXIVBenchや3DMarkなどがあります。

FFXIVBenchのダウンロードはこちら

3DMarkのダウンロードはこちら

購入直後に数時間の高負荷状態に耐えられないグラボであれば、そう遠くない未来に不具合が出ると思われます。

初期不良期間中に高負荷チェックを行うことで、ある程度不具合品を見抜けるのです。

 

そして、フリマや通販ショップは絶対におすすめできません。買うのであれば信頼ある中古ショップの店舗にしましょう。

店舗を構えている中古ショップの通販という手もありますが、通販購入品に不具合があった場合に、慣れないサポートのやり取りで一苦労するかもしれないことは覚えておくべきです。

家の近くに購入した不具合品を持ち込める店舗があるならともかく、遠方から購入するのであれば、動作不良時の対応が大変になることは覚悟しましょう。

また同じ通販でも、通販のみで店舗を構えていない中古ショップもおすすめはできません。

信頼のおける店舗と分かっているのならまだともかく、顔が見えない販売者という意味ではフリマとそう変わりません。

管理人も、動作不良の問い合わせをしてもレスが来ず、ショッピングモールの運営元に問い合わせてようやく対応をした通販ショップを引いた経験があります。

 

ちなみに管理人も中古グラボを購入したことがあります。

幸運なことに、ひどく劣化したグラフィックスボードを引いたことはまだありません。

例えば、先日、全国に店舗を構える某有名中古PCショップで購入したGeForce GTX 1060は、保証期間1週間の間に行った負荷テストをクリアしました。

FFXIVBenchを8時間連続で回し続けるという負荷テストです。

 

下のキャプチャーはベンチマーク開始5~6時間経過後のものです。

GPU使用率98%、GPU温度は69度ほどでしたが、安定動作していました。

ほとんどの時間、GPU使用率が100%近くだったものの、問題なく完走しています。

FF14 黄金のレガシーベンチマークで、中古購入したGeForceGTX1060を8時間連続稼働負荷テストし、完走

たしかに、中にはこのような中古グラボもあります。

ただ基本的に中古グラフィックスボードはリスクが大きく、特にハイエンドグラフィックスボードはマイニングで酷使されていた可能性も高いので、おすすめはできません。

問題があっても対応できない初心者は、やはり手を出してはいけません。

中古グラボは、外れを引いても自己責任として割り切れる、一部の自作中上級者向けパーツといえるでしょう。

まとめ:中古グラボが危険なのは「見えない劣化」が理由

  • グラボの中古が危険な理由は、外見から見えない部分で進んでいる劣化があるから
  • 見えない劣化は使用時間や使用した環境によって進み度合いが違う。
  • どうしても中古で買うのであれば、個人売買は避けて、中古パーツ店で購入すること。そして、購入後すぐに高負荷での長時間動作チェックもするべし。

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